きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

歌人“京雅”さんからの和歌(沓冠) フェブラリーステークス

2月24日は、矢野 英一 調教師の誕生日です。誕生日おめでとうございます!
先週は今年初めてのJRA・GIフェブラリーステークスが行われました。東京競馬場のマイル戦で行われるダートの頂上決戦。砂の猛者たちが集結したこのレースを制したのは、昨年に引き続き連覇となったカフェファラオでした。覆面歌人の京雅さんからは、このフェブラリーステークスの和歌が届きました。是非、隠れたメッセージを読み解いてください。(メッセージの答えは最後に)

フェブラリーステークス 京雅

夢はなお
ずば抜けて追う
連勝の
なんと神業
意欲で制覇

隠れたメッセージは「ゆずれない おうのざは → 譲れない 王の座は」です。
夢()はなお(
ず()ば抜けて追う(
連()勝の(
な()んと神業(
意()欲で制覇(


<京雅さんの和歌【沓冠】の解説>
昨年のJRA最優秀ダート馬のテーオーケインズは不在ではあるものの、昨年のチャンピオンのカフェファラオ、白毛のクラシックホース・ソダシ、JBCスプリント(JpnI)で悲願の初GI(JpnI)タイトルを手にし勢いに乗るレッドルゼルなど、豪華なメンバーが集結したフェブラリーステークス。このレースを先頭で駆け抜けたのはカフェファラオと福永祐一騎手のコンビでした。
福永祐一騎手は昨年暮れの香港スプリントで、先行馬の落馬に巻き込まれる形で自身も落馬し、負傷しました。驚異の回復力で、2月5日に復帰し、このフェブラリーステークスに間に合わせました。療養中にカフェファラオの依頼を受けた福永祐一騎手は「(依頼が)来るとは思っていませんでした。信頼して依頼をいただき、期待に応えられてよかった」と語っており、関係者からの信頼、カフェファラオの連覇という夢「夢はなお」を、結果で返そうと「意欲で制覇」しました。
レースは逃げるテイエムサウスダン、2番手のソダシを見る絶好の3番手で進めると、王者らしい素晴らしい脚で追い「ずば抜けて追う」、危なげない競馬で連覇を飾りました「連勝の」。
ファラオとは王の意味。コパノリッキー以来、史上2頭目となるフェブラリーステークス連覇達成したカフェファラオの走りはその名の通り神業「なんと神業」と呼ぶに相応しいレースぶりで玉座を死守しました「譲れない 王の座は」。
※「」(カッコ)内は、和歌の各句・隠れたメッセージを表しています。

さて、今週から舞台を中山競馬場に移します。第2回中山競馬は、GIに繋がる重要なステップ競走やトライアルレース(中山記念、報知杯弥生賞ディープインパクト記念など)が行われます。本番に向けた各馬の臨戦過程にも是非、注目いただきながら観戦を楽しんでいただければと思います。


※ 【沓冠】の解説
和歌の折句の一種。意味のある10文字の語句を、各句の初め(冠)と終わり(沓)に1字ずつ詠み込んだもの。「沓」とは、体の一番下に着けるもので、「冠」とは、一番上に着けるものであることから、「沓冠」といわれる。 平安貴族の「言葉遊び」で、短歌の中に、本文とは違う言葉を忍び込ませて、和歌の表面とは違ったメッセージを密かに伝えているところが、面白いところ。

※歌人“京雅”さん
長く競馬サークルに住みついている覆面歌人。一昨年から、当協会ホームページで連載開始。渾身の一首をお届けするので皆さんも、是非、謎解きに挑戦してください。

×