きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

歌人“京雅”さんからの和歌(沓冠) フェブラリーステークス

1月13日は、池江 泰寿 調教師の誕生日です。誕生日おめでとうございます!
先週は、今年最初の3日間開催で、1月の寒さも忘れる熱戦が続きました。覆面歌人の京雅さんからは、当協会の芹澤精一様のご愛馬ライラックが優勝したフェアリーステークス(GIII)の和歌が届きました。是非、隠れたメッセージを読み解いてください。(メッセージの答えは最後に)

フェアリーステークス 京雅

ハナでほら
並び競り合い
さあ力(ちから)
快走差し勝つ
末脚で咲く

隠れたメッセージは「はなさかす らいらつく → 花咲かす ライラック」です。
ハ()ナでほら(
並()び競り合い(
さ()あ力(
快()走差し勝つ(
末()脚で咲く(


<京雅さんの和歌【沓冠】の解説>
ヨーロッパ原産のライラックは北海道の代表な花の名前でもあり、耐寒性が強く、小さな花びらをいくつも咲かせます。今回、フェアリーステークスで優勝したライラックの名前も、生まれ故郷の北海道を代表するこの花から由来し、鞍上のM.デムーロ騎手は優勝後のインタビューで「小さいけど心が強い」と語っており、まさに寒空の中、しっかりと咲く小さな花ライラックと競走馬ライラックの小さいけどハートが強く、馬格で勝る馬たちに果敢に立ち向かう様子がリンクします。
スタートでやや後手を踏み後方からのレースとなるも、3コーナーでは集団に外から並び駆け、4コーナーではその力を見せるように大外から一気にエンジン全開。小柄な馬体ながら小気味良いピッチで中山急坂を駆け上がり、前を行く人気馬スターズオンアースを差し切って快走しました。

この勝利でクラシックに向けて十分な賞金を獲得したライラック。昨年の優勝馬ファインルージュはクラシック本番でも良い競馬を見せましたが、ライラックもそれに続くか、いや、それ以上の結果を残すか、注目が集まります。


※ 【沓冠】の解説
和歌の折句の一種。意味のある10文字の語句を、各句の初め(冠)と終わり(沓)に1字ずつ詠み込んだもの。「沓」とは、体の一番下に着けるもので、「冠」とは、一番上に着けるものであることから、「沓冠」といわれる。 平安貴族の「言葉遊び」で、短歌の中に、本文とは違う言葉を忍び込ませて、和歌の表面とは違ったメッセージを密かに伝えているところが、面白いところ。

※歌人“京雅”さん
長く競馬サークルに住みついている覆面歌人。一昨年から、当協会ホームページで連載開始。渾身の一首をお届けするので皆さんも、是非、謎解きに挑戦してください。

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