きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

歌人“京雅”さんからの和歌(沓冠) マイルチャンピオンシップ

先週は秋のマイル王決定戦・マイルチャンピオンシップ(GI)が行われました。マイル女王のグランアレグリアが抜け出し、そこに3歳勢のシュネルマイスター、ダノンザキッドが迫る白熱のラストとなりました。覆面歌人の京雅さんからはこのマイルチャンピオンシップの和歌が届きました。是非、隠れたメッセージを読み解いてお楽しみください。(メッセージの答えは最後に)

マイルチャンピオンシップ 京雅

愛馬燃ゆ
歴戦競う
群馬差し
立派ハナ見ゆ
圧倒感動

隠れたメッセージは「あれぐりあ ゆうしゆう → アレグリア 有終」です。
愛()馬燃ゆ(
歴()戦競う(
群()馬差し(
立()派ハナ見ゆ(
圧()倒感動(


<京雅さんの和歌【沓冠】の解説>
“まだまだ若者には負けられない”そんな言葉も聞こえてきそうな女王グランアレグリアの立派なラストランでした。
冒頭に紹介したシュネルマイスター、ダノンザキッドら3歳勢の他、サリオス、インディチャンプなど歴戦のマイルGI馬が集い競った今年のマイルチャンピオンシップ。その中で、抜群の輝きを放ったのはグランアレグリア。サリオス、インディチャンプの抜け出しを外から差し、さらに3歳勢の追撃を許さぬ勝負根性で、GI6勝目を手にしました。香港遠征の計画を止め、本レースでの引退が発表されていたグランアレグリアが、自らの走りで有終の美を飾る結果となりました。15戦9勝。そのうち古馬の芝マイルGI4勝は歴代最多。さらに、ラストランのマイルチャンピオンシップ優勝で、牝馬史上6頭目となる獲得賞金10億円越えも達成と、記録づくめ。隠れたメッセージの通り“有終の美”を飾ったグランアレグリア。“優秀”な記録も手にし、記録にも記憶にも残る名馬となって、馬名(グランアレグリア)の由来である「大歓声」を受けてターフを後にしました。次の夢は繫殖牝馬として、GI馬を輩出することでしょうか。自身の記録を塗り替える仔の出現を期待していることでしょう。

さて、今週で令和3年の東京開催はフィナーレ。締めくくりはジャパンカップ(GI)です。今年は海外からの刺客も参戦予定で楽しみな一戦となりそうです。また無敗で三冠を獲得したコントレイルの引退レースです。菊花賞以来となる勝利の美酒で引退の花道を飾ることができるか注目が注がれます。


※ 【沓冠】の解説
和歌の折句の一種。意味のある10文字の語句を、各句の初め(冠)と終わり(沓)に1字ずつ詠み込んだもの。「沓」とは、体の一番下に着けるもので、「冠」とは、一番上に着けるものであることから、「沓冠」といわれる。 平安貴族の「言葉遊び」で、短歌の中に、本文とは違う言葉を忍び込ませて、和歌の表面とは違ったメッセージを密かに伝えているところが、面白いところ。

※歌人“京雅”さん
長く競馬サークルに住みついている覆面歌人。昨年から、当協会ホームページで連載開始。渾身の一首をお届けするので皆さんも、是非、謎解きに挑戦してください。

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