きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

競馬列島に愛をこめて

12月31日は、藤井 勘一郎 騎手、武 英智 調教師の誕生日です。誕生日おめでとうございます!
ようこそいらっしゃいませ。

幸いにコロナ禍も少し落ち着きを取り戻して来たようですが、オミクロン株の不気味な動向も予断を許さない状況で、くれぐれもご自愛いただきたい年の瀬です。競馬の方は、大変な荒波に翻弄された昨年今年、関係者の方々こぞっての懸命な努力とファンの皆さまの熱心な支えで、無事にレーシングカレンダーを順調に日々めくることができ、売り上げ面でも素晴らしい結果を残すことができました。欧州や北米など競馬先進諸国がクラシックの日程変更を始め、レースの延期や中止などに悩まされ、広範で大規模な賞金減額に直面していたことを考えれば、我が国の競馬シーンが苦境の中でも大きな成長を実現したのは世界を驚かせる“壮挙”でした。

とくに地方競馬の頑張りは目を瞠(みは)らせる“天晴れ”でした。たとえば高知競馬を例にとると、「黒潮ダービー」と南国土佐らしい豪快な愛称で親しまれる「高知優駿」の1着賞金は、コロナ前の一昨年が500万円だったものが、コロナに直面した昨年は700万円、そして今年は1000万円に2年間で倍に増額されています。古馬混合の長距離頂上戦として大晦日を彩る名物レース「高知県知事賞」も500万円から800万円、そして1200万円と増額された今年は、スペルロマンが史上初の3連覇に挑みます。大いに盛り上がることでしょうね。そもそも売り上げ規模が異次元のJRA、地方でも都会地の南関東や園田などに比較すれば見劣りしますが、ここまで押し上げて来た皆さんの努力には頭の下がる思いです。もちろん高知だけのお話に終わるのではなく、北の大地を轟かす「ばんえい旭川」から九州の地で競馬の灯を絶やさず守り続ける「佐賀競馬」まで、世界にも類例がないほど素晴らしい“競馬列島”を築き上げた関係者、ファンの方々ともども心からの敬意を表します。

右肩上がりを続けるのは、とても大変な難事業です。しかし想像もできなかったたくさんの人々に、競馬を知ってもらえ楽しんでいただけたのは、“競馬好き”としてこれ以上の歓びはありません。来たる年もさらにたくさんの方々に競馬を楽しんでいただきたいものです。ネット競馬も手軽で便利で悪くないのですが、たまには中山とか競馬場にお出かけいただけると、角度の違った楽しみが見つかると思います。
それでは皆さま、良いお年をお迎えください。

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