きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

歌人“京雅”さんからの和歌(沓冠) チャンピオンズカップ

12月9日は、福永 祐一 騎手の誕生日です。誕生日おめでとうございます!
12月に入り、今年もラスト1か月。GIシリーズ真っ只中の競馬は冬の気候とは裏腹に熱気を帯びております。12月最初のGIとして、中京競馬場ではダートチャンピオンを決定するチャンピオンズカップが行われました。覆面歌人の京雅さんからはこのチャンピオンズカップの和歌が届きました。是非、隠れたメッセージを読み解いてお楽しみください。(メッセージの答えは最後に)

チャンピオンズカップ 京雅

手柄まあ
一騎溌溂
追って良し
馬は強いよ
伸びて独走

隠れたメッセージは「ていおうの あつしよう → 帝王の 圧勝」です。
手()柄まあ(
一()騎溌溂(
追()って良し(
馬()は強いよ(
伸()びて独走(


<京雅さんの和歌【沓冠】の解説>
今年の桜花賞馬で白毛としてファンの人気も非常に高いソダシが芝とダートの二刀流に挑戦する一戦として注目を集めた今年のチャンピオンズカップ。そのソダシがレースを引っ張る形で先行しますが直線で失速。代わってソダシを横目に馬群から抜け出したのはテーオーケインズ。馬名の一部「テーオー」にもあるダート交流重賞・帝王賞(JpnI)を制した4歳牡馬。ソダシとは反対にデビューからダート一筋でダートの帝王の座に君臨することを夢見てきました。ソダシを早めに捕まえたインティの外から馬体を併せる間もなく”一騎溌溂”と突き放すと、追ってなお良しの末脚で後続の追撃を許さず、最後は追い込んだ2着のチュウワウィザードを6馬身も引き離す独走で、隠れたメッセージの通りの「帝王の圧勝」劇となりました。
名実ともに「帝王の誕生」となったテーオーケインズ。充実一途のテーオーケインズの来年の活躍に早くも胸が高鳴ります。

さて、今週からは2歳のGI戦が続きます。12日(日)には少女のタイトル戦・阪神ジュベナイルフィリーズ。3戦3勝のウォーターナビレラ、アルテミスステークスを制したサークルオブライフなどが出走を予定しています。世代最初のGIタイトルを手にする馬を是非、お見逃しなく!


※ 【沓冠】の解説
和歌の折句の一種。意味のある10文字の語句を、各句の初め(冠)と終わり(沓)に1字ずつ詠み込んだもの。「沓」とは、体の一番下に着けるもので、「冠」とは、一番上に着けるものであることから、「沓冠」といわれる。 平安貴族の「言葉遊び」で、短歌の中に、本文とは違う言葉を忍び込ませて、和歌の表面とは違ったメッセージを密かに伝えているところが、面白いところ。

※歌人“京雅”さん
長く競馬サークルに住みついている覆面歌人。昨年から、当協会ホームページで連載開始。渾身の一首をお届けするので皆さんも、是非、謎解きに挑戦してください。

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