きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

王者同士の一期一会

11月19日は、川又 賢治 騎手、長谷川 浩大 調教師の誕生日です。誕生日おめでとうございます!
ようこそいらっしゃいませ。

今年のBC(ブリーダーズカップ)クラシック王者のニックスゴーは、既にレース後に種牡馬として繋養先のテイラーメイドファームに入り、初年度の種付け料も3万ドル≒340万円に決定していたのですが、年明けのG1ペガサスワールドCを走ることになったそうです。初年度産駒が今年デビューし、フレッシュサイアー(新種牡馬)チャンピンにとどまらず、全体の2歳リーディング王者の座をほぼ確実なものにしているガンランナーも同じような道を歩んでの大成功でした。ラストランから間をおかず種牡馬生活がスタートし、何とも忙(せわ)しないばかりですが、馬の緊張感やエネルギーを維持する上で良い影響があるのでしょうか?成功種牡馬への“サクセスロード”の一つとして注目できそうです。ニックスゴーはご承知のように、馬主さんが韓国馬事会(KRA)という異色のアメリカンホースです。配合牝馬の質などを考慮されてのアメリカ残留でしょうが、韓国競馬の大きな盛り上がりに貢献する仔を送り出してくれると良いですね。

さてペガサスワールドCには、もう一頭の超大物が出走を予定しているようです。ライフイズグッドがその馬で、今年のBCダートマイルを圧倒的なスピードで逃げ切った快速馬です。クラシック前哨戦で後にケンタッキーダービーを勝ったメディナスピリットを8馬身の大差に退けながら、故障で三冠すべてを諦めざるを得なかった悲運の天才馬です。その間にも転厩騒動などトラブルに巻き込まれますが、新天地トッド・プレッチャー厩舎でしっかり立て直され、ここまで6戦5勝2着1回と未だに底を見せない強さを誇っています。

2000mのBCクラシック王者ニックスゴーか?1600mのBCダートマイルを圧勝したライフイズグッズか?その雌雄を決するペガサスワールドCが距離1800mというのも何とも興味深いところです。しかしニックスゴーは昨年のBCダートマイル覇者でもあり、今年のクラシックと併せて“2階級王者”という高みに上り詰めた“絶対チャンプ”です。ライフイズグッズも来年はここをスタートに、ドバイワールドC、BCクラシックなど世界を制圧する絶対王者へと突き進むのでしょうが、果たして世代交代を宣言できるのか?抜きん出たチャンピオン同士の“一期一会”の戦いに興味は尽きません。

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