きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

歌人“京雅”さんからの和歌(沓冠) エリザベス女王杯

11月18日は、飯田 祐史 調教師、角田 晃一 調教師の誕生日です。誕生日おめでとうございます!
先週は3歳牝馬と4歳以上の古馬牝馬が激突し、女王の座を決めるエリザベス女王杯(GI)が阪神競馬場で行われました。結果は単勝10番人気のアカイイトが重賞初制覇をGI優勝で達成し、さらに2着、3着も人気薄が入線。3連単で339万円の波乱を演出しました。覆面歌人の京雅さんからはこのエリザベス女王杯の和歌が届きました。是非、隠れたメッセージを読み解いてお楽しみください。(メッセージの答えは最後に)

エリザベス女王杯 京雅

あえて待つ
勝てる真ん中
今だ読み
一気抜けると
トップ押し切る

隠れたメッセージは「あかいいと つかみとる → アカイイト 掴み取る」です。
あ()えて待つ(
勝()てる真ん中(
今()だ読み(
一()気抜けると(
ト()ップ押し切る(


<京雅さんの和歌【沓冠】の解説>
牡馬・牝馬混合のGI・大阪杯を制したレイパパレ、秋華賞で悲願の初GIタイトルを手にした3歳馬アカイトリノムスメ、人気を集めた2頭が馬群で苦しむ中、馬場の真ん中を堂々と抜け出したのは、なんと10番人気のアカイイトでした。
淀みなく流れるペースの中、道中はあえての後方待機。3コーナーでも手応え抜群、「阪神の内回りコースということもあり、早め早めに上がっていきました」と幸英明騎手が語ったように“今だ”という絶妙なタイミングを読みGOサイン。アカイトリノムスメの外側から一気に先頭に抜けると先行押し切りで後続に2馬身差の快勝となり、見事、女王の座に君臨しました。
オーナーは九州産馬ヨカヨカのオーナーとしても知られ、「ヨカヨカが直前でスプリンターズステークスに出られなくなってGIはこんなに遠いものかと思いましたが、アカイイトで優勝することができた。ヨカヨカの分まで走ってくれたかな」とヨカヨカの主戦騎手であった幸騎手の手綱でのGI制覇に、運命の赤い糸を感じているインタビューも紹介されていました。

今週も引き続き阪神でGI戦。秋のマイル王決定戦・マイルチャンピオンシップが行われます。グランアレグリア、シュネルマイスター、ダノンザキッド、インディチャンプなどGI馬も多数出走する注目のレース。是非、お楽しみに!


※ 【沓冠】の解説
和歌の折句の一種。意味のある10文字の語句を、各句の初め(冠)と終わり(沓)に1字ずつ詠み込んだもの。「沓」とは、体の一番下に着けるもので、「冠」とは、一番上に着けるものであることから、「沓冠」といわれる。 平安貴族の「言葉遊び」で、短歌の中に、本文とは違う言葉を忍び込ませて、和歌の表面とは違ったメッセージを密かに伝えているところが、面白いところ。

※歌人“京雅”さん
長く競馬サークルに住みついている覆面歌人。昨年から、当協会ホームページで連載開始。渾身の一首をお届けするので皆さんも、是非、謎解きに挑戦してください。

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