きょうの蹄音競馬にまつわるちょっといい話

2021.9.9 歌人“京雅”さんからの和歌(沓冠)　札幌２歳ステークス

先週で夏競馬が終了。夏の最終週は各競馬場で重賞が行われ、最後の最後まで夏競馬を盛り上げました。覆面歌人の京雅さんからは会員の（有）サンデーレーシング様のジオグリフが優勝した札幌２歳ステークスの和歌が届きました。是非、隠れたメッセージを読み解いてお楽しみください。（メッセージの答えは最後に）

札幌２歳ステークス　京雅

自重さあ
追えば鮮烈
ぐんぐんと
リード楽勝
不使用鞭です
隠れたメッセージは「じおぐりふ　あつとうす　→　ジオグリフ　圧倒す」です。
自（じ）重さあ（あ）
追（お）えば鮮烈（っ）
ぐ（ぐ）んぐんと（と）
リ（り）ード楽勝（う）
不（ふ）使用鞭です（す）

＜京雅さんの和歌【沓冠】の解説＞
ジャングルポケット、ロジユニヴァースなどのダービーを輩出した出世レース・札幌２歳ステークス。今年も来年のクラシックが楽しみになる鮮烈な勝ち方を見せてくれた馬が誕生。優勝したのは新種牡馬ドレフォン産駒のジオグリフ。
スタートでやや出負けし最後方となるも鞍上のＣ．ルメール騎手は慌てずゆっくり後ろから追走し、脚を温存し平然と自己の競馬を貫きました。
４コーナーまでに馬なりで４番手まで押し上げると、直線入り口では前を射程圏内に。軽く気合をつけ、追い始めるとぐんぐんと脚を伸ばし鮮烈な末脚を披露。鞭を入れることなく後続を突き放し、ルメール騎手は後ろを確認する余裕っぷり。４馬身差の快勝で、隠れたメッセージの通り、他馬を圧倒しました。

今週で夏競馬が最後ということで、京雅さんからもう一首。

夏競馬　京雅

荒れるかな
立派溌溂
ガッツ駆け
ともに勝ちたい
馬を愛せば
隠れたメッセージは「ありがとう　なつけいば　→　ありがとう　夏競馬」です。
荒（あ）れるかな（な）
立（り）派溌溂（つ）
ガ（が）ッツ駆け（け）
と（と）もに勝ちたい（い）
馬（う）を愛せば（ば）

隠れたメッセージの通り、夏競馬への感謝を詠った一首ですが、簡単に解説をさせていただくと、

荒れるかな・・・夏競馬は３歳勢と古馬が混ざり荒れるとも言われる時期。
立派溌溂・・・立派な馬格の古馬と元気溌剌な２歳馬たち。
ガッツ駆け・・・「駆け」は「賭け」に置き換えられる掛詞。
ともに勝ちたい・・・ともにを「共に」とすれば「駆ける馬と共に」という意味。「友に」とすれば「友と馬券を賭けて楽しむ」という意味。
馬を愛せば・・・いずれも、馬主、騎手、厩舎関係者馬、そしてファンという、馬を愛する人々に支えられている夏競馬。

来週からは舞台を中山と中京に移して秋競馬の開幕です！！

※ 【沓冠】の解説
和歌の折句の一種。意味のある10文字の語句を、各句の初め（冠）と終わり（沓）に1字ずつ詠み込んだもの。「沓」とは、体の一番下に着けるもので、「冠」とは、一番上に着けるものであることから、「沓冠」といわれる。平安貴族の「言葉遊び」で、短歌の中に、本文とは違う言葉を忍び込ませて、和歌の表面とは違ったメッセージを密かに伝えているところが、面白いところ。

※歌人“京雅”さん
長く競馬サークルに住みついている覆面歌人。昨年から、当協会ホームページで連載開始。渾身の一首をお届けするので皆さんも、是非、謎解きに挑戦してください。

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