きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

歌人“京雅”さんからの和歌(沓冠) 朝日杯セントライト

9月23日は、荻野 極 騎手、青木 孝文 調教師の誕生日です。誕生日おめでとうございます!
先週は中山と中京それぞれでクラシック最終戦・秋華賞(GI)と菊花賞(GI)に繋がる重要なトライアルレースが行われました。覆面歌人の京雅さんからは当協会所属の星野壽市様のアサマノイタズラが優勝した朝日杯セントライト記念(GII)の和歌が届きました。是非、隠れたメッセージを読み解いてお楽しみください。(メッセージの答えは最後に)

朝日杯セントライト記念 京雅

行けるさあ
他馬を追走し
随一の
ラップを出せば
ガッツ抜き差す

隠れたメッセージは「いたずらが あしのばす → イタズタが 脚伸ばす」です。
行()けるさあ(
他()馬を追走し(
随()一の(
ラ()ップを出せば(
ガ()ッツ抜き差す(


<京雅さんの和歌【沓冠】の解説>
菊花賞への優先出走権を求めて14頭の競走馬が集結した朝日杯セントライト記念。ここを制して菊への足掛かりを掴むのはどの馬か、注目のレースの火蓋が切って落とされました。
レースは春の実績馬1番人気のタイトルホルダーが周囲をライバル馬たちに囲われ厳しいマークにあう中、優勝したアサマノイタズラは後方4番手で一頭気持ちよく追走できるポジションに。そのまま直線に向くまでジッと脚を溜め、直線で進路が開くと「行ける、さあ!」とばかりに田辺裕信騎手が追い出し開始。後方からメンバー随一の3ハロン34秒台のラップを繰り出すと、ガッツ溢れる走りで中山の急坂も難なく駆け上がり、先に抜けたソーヴァリアントをきっちり捕らえました。
後方から猛追する姿は隠れたメッセージの通り「(アサマノ)イタズラが脚伸ばす」そのものでした。

9番人気で伏兵扱いだったアサマノイタズラの激走にネットなどファンの間では「これこそ悪戯だ」など馬名をなぞらえながら、アサマノイタズラの走りを祝福・称賛する声も多くみられました。本番の菊花賞でもこの豪快な末脚が見られるか、注目したいところです。


※ 【沓冠】の解説
和歌の折句の一種。意味のある10文字の語句を、各句の初め(冠)と終わり(沓)に1字ずつ詠み込んだもの。「沓」とは、体の一番下に着けるもので、「冠」とは、一番上に着けるものであることから、「沓冠」といわれる。 平安貴族の「言葉遊び」で、短歌の中に、本文とは違う言葉を忍び込ませて、和歌の表面とは違ったメッセージを密かに伝えているところが、面白いところ。

※歌人“京雅”さん
長く競馬サークルに住みついている覆面歌人。昨年から、当協会ホームページで連載開始。渾身の一首をお届けするので皆さんも、是非、謎解きに挑戦してください。

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