きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

前哨戦ラストラウンド

9月3日は、角田 大和 騎手の誕生日です。誕生日おめでとうございます!
ようこそいらっしゃいませ。

長く熱かった夏競馬も今週がフィナーレ。来週から舞台は久しぶりに中山に戻ります。それと軌を同じくして、ヨーロッパでは凱旋門賞と同じパリロンシャン競馬場の同距離2400mで、 3歳馬のG2ニエル賞、古馬を集めたG2フォア賞、牝馬限定のG1ヴェルメイユ賞の最重要トライアルのラストラウンドが一挙に開催されます。各レースとも有力馬が続々とエントリーしており、トライアルと呼ぶには充実し過ぎた顔ぶれが予想されます。

日本からはフォア賞にディープポンドが出走するようです。父キズナはニエル賞で英ダービー馬ルーラーオブザワールドを破り、本番でも武豊騎手が4コーナーで“勝ちに行き”トレヴに果敢に並びかけて見せ場をつくっています。一瞬の出来事で結果は4着に終わりましたが、個人的には2着を死守したオルフェーヴルに勝るとも劣らない“ベストバウト”だったと思い出に残っています。しかし今年のフォア賞は、記念でも傑出したハイレベル戦になりそうです。G1連勝を含めて重賞4連勝中の地元の星スカレッティは騸馬のため本番の出走権はありませんが、ここは“最強の誉れ”をかけた渾身の一番でしょうね。ヨークシャーオークスは苦手の良馬場でスノーフォールの4着に敗れたワンダフルトゥナイトですが、「道悪なら10馬身は違う」と陣営が自信を隠さない“重の鬼”ですから、ロンシャン名物の渋化馬場になれば格別の脚が繰り出すはずです。エイダン・オブライエン厩舎からは日本人が共同オーナーのブルーム、昨年の英ダービー馬サーペインタインなど多彩なメンバーを揃えました。

オブライエン厩舎の“目玉”は、もちろんディープ娘スノーフォールです。英愛でオークスの名を冠したG1を3連勝、16馬身、8馬身半、4馬身といずれも圧倒的な内容で破竹の進撃を続けています。凱旋門賞のブックメーカーオッズは、既に現時点でアタマ一つ二つ抜けた1番人気に抜擢されていますが、ここを勝つようなら本番の 3歳牝馬に圧倒的なアドバンテージがあると言われる斤量面での有利さを加味して、さらに大きく差を広げそうです。日本のホースマンの悲願と言われる凱旋門賞制覇が、日本生まれとは言えアイルランド調教馬によって成し遂げられるのは、ちょっと複雑な気分でもありますが。

×