きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

歌人“京雅”さんからの和歌(沓冠) 新潟2歳ステークス

9月2日は、池添 学 調教師、畠山 吉宏 調教師の誕生日です。誕生日おめでとうございます!
先週は新潟競馬場で新潟2歳ステークス(GIII)、小倉競馬場で小倉サマージャンプ(J・GIII)、札幌競馬場でキーンランドカップ(GIII)が行われました。覆面歌人の京雅さんからは当協会所属(株)G1レーシング様のセリフォスが優勝した新潟2歳ステークスの和歌が届きました。是非、隠れたメッセージを読み解いてお楽しみください。(メッセージの答えは最後に)

新潟2歳ステークス 京雅

攻め狙う
理想最内
不安絶つ
追え競い合い
末脚伸びた

隠れたメッセージは「せりふおす うちついた → セリフォス 内突いた」です。
攻()め狙う(
理()想最内(
不()安絶つ(
追()え競い合い(
末()脚伸びた(


<京雅さんの和歌【沓冠】の解説>
夏の2歳出世レースともいえる新潟2歳ステークス。過去にはハープスターなどがこのレースを制して、その後のGⅠ制覇に繋げております。
今年の新潟2歳ステークスを制して出世街道に載ったのは最内枠から突き抜けたセリフォスでした。鞍上の川田将雅騎手は「(馬が)左に行きたがっていたので、枠も枠ですし、内の馬場は良くないけれども、内を気持ちよく走らせてあげようと思いました」とコメントを残したように、理想の最内からインを突いて抜け出す攻めの競馬で優勝を狙い、その狙い通りに直線で内埒に沿って脚を伸ばし、左に行きたがる馬の不安を絶ちました。そこからは、他馬との追い比べを、抜群の末脚で突き抜けて優勝を手にしました。
まさに、隠れたメッセージの通り「セリフォス 内突いた!」という素晴らしい走りでした。

左に行きたがる癖を見事に把握した騎手、そしてぴったり嵌った条件下で力を出し切る競走馬。まさに人馬一体の勝利と言える走りを見せてくれました。賞金的にもGⅠロードが開かれたセリフォス。今後はローテーションも余裕を持って組むことができ、更なる飛躍が期待されます。
さて、今週で夏競馬も最終週。締めくくりの週も新潟・小倉・札幌それぞれで重賞が組まれております。夏の最後の熱戦を是非、お楽しみください!


※ 【沓冠】の解説
和歌の折句の一種。意味のある10文字の語句を、各句の初め(冠)と終わり(沓)に1字ずつ詠み込んだもの。「沓」とは、体の一番下に着けるもので、「冠」とは、一番上に着けるものであることから、「沓冠」といわれる。 平安貴族の「言葉遊び」で、短歌の中に、本文とは違う言葉を忍び込ませて、和歌の表面とは違ったメッセージを密かに伝えているところが、面白いところ。

※歌人“京雅”さん
長く競馬サークルに住みついている覆面歌人。昨年から、当協会ホームページで連載開始。渾身の一首をお届けするので皆さんも、是非、謎解きに挑戦してください。

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