きょうの蹄音競馬にまつわるちょっといい話

2021.8.6

2歳G1戦線はじまる!

2歳G1戦線はじまる!

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今週はアイルランドのカラ競馬場でG1フェニックスS 1200mが開催されます。ヨーロッパではその年の最初のG1レースとなります。創設は1902年にさかのぼり、数々の名馬を輩出して来ました。今世紀に入ってからも伝統は脈々と受け継がれ、01年の勝ち馬ジョージワシントンはイギリスの、08年マスタークラフツマンはアイルランドの2000ギニーを制するなどクラシック馬を送り出しているのは立派です。一昨年のシスキンも愛2000ギニーまで無傷の5連勝を記録したスピード馬で、今年から社台スタリオンステーションで種牡馬として繋養されています。

開催時期が時期だけに、完成度の高い早熟なスプリンターやマイラーが活躍するレースというイメージが定着しています。この傾向と個性は、01年の勝ち馬ヨハネスブルグに代表されます。傑出した早熟性で有名なストームキャット系ヘネシーの血を継いでアメリカで誕生したヨハネスブルグは、クールモアのマイケル・テーバー氏に購買され、アイルランドの超名門エイダン・オブライエン厩舎に入厩します。デビュー戦から4連勝でフェニックスSを圧勝すると、フランスへ渡ってモルニ賞、次いでイギリスでG1ミドルパークS、この年のラストはアメリカに遠征しベルモントのダートG1BCジュベナイル制圧と4カ国のG1を含め2歳時7戦7勝と完全無欠な実績を残し、欧州カルティエ賞、北米エクリプス賞と両大陸で2歳チャンピオンに輝きました。

種牡馬として晩年に日本にやって来ましたが、最大の功績はアメリカに遺して来たスキャットダディでしょう。惜しくも早逝しましたが、米三冠馬ジャスティファイなどの超大物、フェニックスSを父子制覇したカラヴァッジオは大物スプリンターとして後継役を期待されています。今年は初年度産駒2頭が父子3代制覇にチャレンジします。ジエンターテイナーは人気薄ですが3代そろってこの血統の良さを知り尽くしたオブライエン厩舎所属、仕上げにぬかりはありません。アガルタは前走の初勝利がG3シルヴァーフラッシュSと“飛び級”で出世コースに乗りました。エイダン師の長男ジョセフ・オブライエン師の管理馬ですが、ほぼ同厩と考えて良いでしょう。日本での代表産駒は高松宮記念のミスターメロディでしょうか。いずれにしろ今後、世界に勢力を拡大していく血筋でしょうね。そうした意味合いも含めて、眼が離せない一番と言えそうに思います。