きょうの蹄音競馬にまつわるちょっといい話

2021.8.5

歌人“京雅”さんからの和歌(沓冠)  クイーンステークス

先週は夏の牝馬の決戦・クイーンステークス(GIII)が函館競馬場で行われました。過去の優勝馬にはGI馬も多く名を連ねるレース。夏の函館を制した牝馬は、春に牡馬にも打ち勝って重賞タイトルを手にしたテルツェットでした。覆面歌人の京雅さんには、このクイーンステークスを和歌に詠んでいただきました。是非、隠れたメッセージを読み解いてください。(メッセージの答えは最後に)

クイーンステークス 京雅

あの捌き
名騎乗なれ
伸びた無比
なんて末脚か
快走差し切る

隠れたメッセージは「あめのなか きれひかる → 雨の中 キレ光る」です。
あ()の捌き(
名()騎乗なれ(
伸()びた無比(
な()んて末脚か(
快()走差し切る(


<京雅さんの和歌【沓冠】の解説>
発走直前、大粒の雨が函館競馬場に降り注ぎました。突然の出来事に、騎乗する騎手の思惑がどのようにレースに影響を及ぼすか、見どころが増えたクイーンステークス。
優勝したのは、春にダービー卿チャレンジトロフィー(GIII)で牡馬相手に重賞タイトルを獲得したテルツェットでした。
スタート後、後方に下げて末脚を温存すると、鞍上のC.ルメール騎手は、4コーナーで外を回すと届かないと予測したのか、馬群に突入。400キロを超える競走馬を自在に捌き、間隙を縫うように末脚を伸ばします。人気馬マジックキャッスルが先頭でゴールするかに見えた直後、すぐ横をテルツェットが切れ味抜群に差し切り、クビ差でゴール板を先頭で駆け抜けました。
4コーナーでの一瞬の判断、手綱捌き、そしてそれに答えたテルツェットの能力と最後の切れ味。オリンピックでは馬術競技が行われ、人馬一体の動きに感嘆の声をあげましたが、競馬にも勝るとも劣らない人馬一体の勝利があることを教えてくれる走りでした。

さて、今週末はダートグレード競走がJRA2鞍(レパードステークスとエルムステークス。いずれもGIII)、そして3連休となる月曜日には盛岡でも交流重賞のクラスターカップ(JpnIII)が行われます。週末は砂塵を巻き上げて疾走する競走馬の勇姿を是非、ご覧ください!


※ 【沓冠】の解説
和歌の折句の一種。意味のある10文字の語句を、各句の初め(冠)と終わり(沓)に1字ずつ詠み込んだもの。「沓」とは、体の一番下に着けるもので、「冠」とは、一番上に着けるものであることから、「沓冠」といわれる。 平安貴族の「言葉遊び」で、短歌の中に、本文とは違う言葉を忍び込ませて、和歌の表面とは違ったメッセージを密かに伝えているところが、面白いところ。

※歌人“京雅”さん
長く競馬サークルに住みついている覆面歌人。昨年から、当協会ホームページで連載開始。渾身の一首をお届けするので皆さんも、是非、謎解きに挑戦してください。