きょうの蹄音競馬にまつわるちょっといい話

2021.8.27

凱旋門賞へラストスパート!

8月27日は、 菊沢一樹 騎手の誕生日です。誕生日おめでとうございます!
ようこそいらっしゃいませ。

月が替わると凱旋門賞戦線を華やかに彩る前哨戦シリーズも、いよいよラストスパート!ゴール目前の激戦が待っています。来週の9月第1土曜日はドイツのバーデンバーデン競馬場を舞台にG1バーデン大賞が行われます。思い出深いのは、ちょうど10年前のデインドリームが6馬身差で圧勝したレースです。彼女はこのレースの前に社台グループの吉田照哉さんに引退後の繁殖権利を購買され、現役時代の権利を持つ馬主さんはその代金で高額な凱旋門賞の追加登録料を払い、パリロンシャンの桧舞台を踏み5馬身差で華麗な勝利の舞いを披露しました。

彼女は翌年もキングジョージ6世&クイーンエリザベスSとバーデン大賞を連勝し、凱旋門賞での大本命を期待されますが、厩舎が感染症に襲われ移動禁止となった悲運に泣き、そのまま繁殖に上がっています。
父にフランケルを迎えた5番仔オンラインドリームが武幸四郎厩舎で新馬勝ちのあと、兄姉同様にデインヒル3X3の濃い近親交配の影響による気性難ゆえか伸び悩んでいます。同じフランケル産駒の長姉ナッシングバットドリーズムズは、社台ファームで繁殖入りしており、ジャスタウェイとの間に生まれた現2歳の初仔ルージュエヴァイユがデビューに向けてスタンバイしています。キツいクロスが薄まる分、常識にかかりやすいでしょうから、祖母の威光を日本の地で輝かせてくれないでしょうか?

1856年の創設と長い伝統を誇るバーデン大賞の価値は、ドイツ競馬を代表する名勝負を積み重ねて来たことにもありそうです。その歴史に欠かせないのが1870年代後半、54戦54勝と世界競馬史に並ぶもののいない不滅の金字塔を樹立した名馬キンツェムです。彼女は競馬後進国の烙印を押されがちなハンガリー生まれで、その成績もマユツバ的に見られるのですが、地続きのドイツやフランスにしばしば出かけ、ドーバー海峡を渡ったイギリス遠征では現G1に格付けされるグッドウッドCを勝利しています。中でもバーデン大賞では3連覇の偉業を達成しています。キンツェムが弱い相手に恵まれて勝ち進んだだけの馬ではないことを証明する記録です。さあ、10月第1日曜日の凱旋門賞当日まで1カ月と少し。ワクワクの日々が続きます。