きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

歌人“京雅”さんからの和歌(沓冠)  ラジオNIKKEI賞

7月8日は、戸崎圭太 騎手、西谷凛 騎手、安田翔伍 調教師の誕生日です。誕生日おめでとうございます!
先週より競馬は福島、小倉、函館へと移り夏のローカル3場開催が始まりました。この時期に一気に力を付けて秋に向けて飛躍する馬を“夏の上がり馬”と表現しますが、その上がり馬となりそうな馬が誕生したのが週末に行われたラジオNIKKEI賞(GIII)。覆面歌人の京雅さんからはこのラジオNIKKEI賞の和歌が届きました。是非、隠れたメッセージを読み解いてください。(メッセージの答えは最後に)

ラジオNIKKEI賞 京雅

リズム良い
優勢に駆け
馬は行き
攻めて伸び抜く
いざ快勝へ

隠れたメッセージは「りゆうせい いけいくへ → 流星 行け菊へ」です。
リ()ズム良い(
優()勢に駆け(
馬()は行き(
攻()めて伸び抜く(
い()ざ快勝へ(


<京雅さんの和歌【沓冠】の解説>
夏に勢いを付けて秋の菊花賞(GI)を目指す馬たちが多く終結した夏の伝統のGIII・第70回ラジオNIKKEI賞。単勝の最終オッズは1番人気で4.8倍、10番人気でも18.9倍という実力の拮抗がオッズにも表れた状態。この混戦を制したのはドイツ語で“白い流星”という意味のヴァイスメテオールでした。
道中は中団インコースでリズム良く折り合い、隊列が凝縮した3コーナーでは間隙を縫うように徐々に馬は外に進路を取って行きます。小回りで少し外に膨れる福島競馬場のコーナーリングも利用しつつ、他馬と併せ馬の形で上手く直線での進路を確保すると、あとは丸山元気騎手のゴーサインに反応し攻めて伸び抜くだけ。混戦模様とされた戦前の評価が嘘のように一頭鮮やかに抜け出し快勝しました。
“テン良し、中良し、終い良し”の三拍子が揃っての完勝。見据える先は、同じく人馬一体の呼吸が求められる3000mの長距離・菊花賞。額の鮮やかな流星の如く大舞台でも馬が駆け抜けてくれることを予感させるレースぶりでした。

同じ日の小倉競馬場ではサマースプリントシリーズのCBC賞(GIII)が行われ、こちらはファストフォースが1200mの芝レコード記録を更新する快走で優勝。サマースプリントシリーズのポイントを10ポイント獲得し、函館スプリントステークス(GIII)を制したビアンフェと並び首位に立ちました。
来週からはサマー2000シリーズが開幕し、初戦の七夕賞(GIII)が行われます。サマーシリーズの行方にも是非、ご注目ください!


※ 【沓冠】の解説
和歌の折句の一種。意味のある10文字の語句を、各句の初め(冠)と終わり(沓)に1字ずつ詠み込んだもの。「沓」とは、体の一番下に着けるもので、「冠」とは、一番上に着けるものであることから、「沓冠」といわれる。 平安貴族の「言葉遊び」で、短歌の中に、本文とは違う言葉を忍び込ませて、和歌の表面とは違ったメッセージを密かに伝えているところが、面白いところ。

※歌人“京雅”さん
長く競馬サークルに住みついている覆面歌人。昨年から、当協会ホームページで連載開始。渾身の一首をお届けするので皆さんも、是非、謎解きに挑戦してください。

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