きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

歌人“京雅”さんからの和歌(沓冠) 宝塚記念

7月1日は、植野貴也 騎手の誕生日です。誕生日おめでとうございます!
今日から7月下半期に入りました。夏の新馬戦、秋のGIシリーズなど、競馬の世界も見どころたっぷり。下半期を十分に楽しむためにも、まずは上半期の総決算・グランプリ宝塚記念(GI)を京雅さんの和歌とともに振り返り、是非、隠れたメッセージを読み解いてください。(メッセージの答えは最後に)

宝塚記念 京雅

夢に見た
名牝三連覇か
ハナでほら
しかと伸び出づ
ルメール鮮やか

※ 「出(い)づ」=「出る」の古語

隠れたメッセージは「ゆめはしる たからづか → 夢走る 宝塚」です。
夢()に見た(
名()牝三連覇か(
ハ()ナでほら(
し()かと伸び出づ(
ル()メール鮮やか(


<京雅さんの和歌【沓冠】の解説>
春のグランプリ宝塚記念。このレースを制して名馬へと駆け上がった先人(馬)たちに続くべく、タイトルを目指して13頭が出走。見事、栄冠を掴んだのは、昨年の宝塚記念、有馬記念、そして今回の宝塚記念と、グランプリ3連覇を達成した名牝・クロノジェネシスでした。グランプリの3連覇はスピードシンボリ、グラスワンダーに続き3頭目、牝馬では初の快挙です。
レースはユニコーンライオンが軽快に逃げ、それを見るように2番人気の無敗のレイパパレが位置し、さらにそれをマークするようにクロノジェネシス。両馬を完全に射程圏内に置きつつ折り合ったクロノジェネシスが、直線で末脚鋭く伸び出て、ハナに躍り出ます。主戦の北村友一騎手が負傷のため、クロノジェネシス3連覇へのエスコートという大役が回ってきたC.ルメール騎手でしたが、さすがはリーディングジョッキー。ライバル馬の動向を見つつ危なげなく先頭に導きました。

宝塚記念は、有馬記念とともにファンによる投票で出走馬を選ぶドリームレース。杉本清氏の名言「あなたの、そして私の夢が走っています」が表すようにそれぞれの夢を載せて走った13頭。同じように、隠れたメッセージ「夢走る 宝塚記念」では、競馬ファンの夢を和歌にのせて京雅さんが皆さんのもとに届けてくださいました。次なるドリームレースは暮れの有馬記念。満員の観衆の前で、白熱のレースが繰り広げられるのを祈るばかりです。


※ 【沓冠】の解説
和歌の折句の一種。意味のある10文字の語句を、各句の初め(冠)と終わり(沓)に1字ずつ詠み込んだもの。「沓」とは、体の一番下に着けるもので、「冠」とは、一番上に着けるものであることから、「沓冠」といわれる。 平安貴族の「言葉遊び」で、短歌の中に、本文とは違う言葉を忍び込ませて、和歌の表面とは違ったメッセージを密かに伝えているところが、面白いところ。

※歌人“京雅”さん
長く競馬サークルに住みついている覆面歌人。昨年から、当協会ホームページで連載開始。渾身の一首をお届けするので皆さんも、是非、謎解きに挑戦してください。

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