きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

歌人“京雅”さんからの和歌(沓冠)  優駿牝馬・オークス

先週は、3歳世代の牝馬の頂上決戦・優駿牝馬オークス(GI)が行われました。無敗の桜花賞(GI)、白毛馬のソダシが注目を集める中、先頭でゴール板を駆け抜けたのは3番人気のユーバーレーベンでした。覆面歌人の京雅さんからは、このオークスの和歌が届きました。是非、隠れたメッセージを読み解いてください。(メッセージの答えは最後に)

オークス 京雅

その脚か
馬は血の価値
素晴らしさ
一騎伸びたさ
二勝し仰ぐ

隠れたメッセージは「そうすいに かちささぐ → 総帥に 勝ち捧ぐ」です。
そ()の脚か(
馬()は血の価値(
素()晴らしさ(
一()騎伸びたさ(
二()勝し仰ぐ(


<京雅さんの和歌【沓冠】の解説>
ユーバーレーベン鞍上のM.デムーロ騎手は先頭でゴール板を駆け抜け、馬を止めた後、右手の鞭を高々と天に掲げました。おそらくこれは、3月19日に亡くなったサラブレッドクラブ・ラフィアン、マイネル軍団の総帥・故岡田繁幸氏への勝利の報告だったのではないでしょうか。
和歌にある「血の価値」、ユーバーレーベンの母父ロージズインメイ、父ゴールドシップ共にビッグレッドクラブで種牡馬繋養していた馬。クラシックを取りたいと願っていた故岡田繁幸氏の相馬眼が集結した血統とも言えます。
直線で一騎抜け出したユーバーレーベンは、これが通算2勝目。これまでソダシの壁に阻まれ続けてきましたが、価値ある勝利。牝馬クラシック最終戦、秋の秋華賞(GI)では、両馬が再びあいまみえることとなるのでしょうか。夏の間の更なる成長に期待です。

今週末はいよいよ日本ダービー。3歳世代のサラ系の生産頭数は7244頭。この頂点に立つ馬が日曜日に決定いたします。駿馬たちの躍動する姿を目に焼き付けていただければと思います。


※ 【沓冠】の解説
和歌の折句の一種。意味のある10文字の語句を、各句の初め(冠)と終わり(沓)に1字ずつ詠み込んだもの。「沓」とは、体の一番下に着けるもので、「冠」とは、一番上に着けるものであることから、「沓冠」といわれる。 平安貴族の「言葉遊び」で、短歌の中に、本文とは違う言葉を忍び込ませて、和歌の表面とは違ったメッセージを密かに伝えているところが、面白いところ。

※歌人“京雅”さん
長く競馬サークルに住みついている覆面歌人。昨年から、当協会ホームページで連載開始。渾身の一首をお届けするので皆さんも、是非、謎解きに挑戦してください。

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