きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

オブライエン劇場

6月25日は、中井裕二 騎手の誕生日です。誕生日おめでとうございます!
ようこそいらっしゃいませ。

ヨーロッパのクラシックも大詰めを迎え、明日土曜日はアイルランドのカラ競馬場2400mで愛ダービーが行われます。1866年の創設以来165回目、2度の世界大戦やコロナ禍による中止も遅延もなく、6月最終週の土曜日に判で押したように正確に開催されてきました。サラブレッド生産が国を支える基幹産業であり、広範な庶民が一度は馬主になってみたい熱い思いを抱いていると伝えられる“国民総馬主”的風土も後押ししているのでしょうが、そうした国民気質を背景とするホースマンの情熱がアイリッシュ・ダービーの歴史と伝統を築き上げて来たのでしょうね。

アイルランドの地から世界のビッグレースを勝ちまくっているエイダン・オブライエン厩舎が、近年の愛ダービーの表彰台を独占しています。1997年のデザートキングによる初制覇を皮切りに、昨年まで14頭のダービー馬を輩出しています。14回の優勝には7年連続の金字塔、5回の1-2-3フィニッシュを含んでいるという驚くべき記録を達成してきました。今年も15回目、3年連続を狙って、出走11頭中5頭を送り込んでいます。デビュー2連勝で英ダービーの大本命に抜擢されながら体調が整わずダービーをスキップしたハイディフィニションが主戦ライアン・ムーアを鞍上に迎え雪辱を期しています。

今年はここまで英愛仏で10戦のクラシックを終えていますが、エイダン・オブライエン厩舎は実に半分を超える6勝の荒稼ぎ、ご存じディープ娘スノーフォールの英オークス16馬身ブッチギリ劇場もあり話題を独り占めにしています。同じアイルランドのジム・ボルジャー厩舎が英愛の2000ギニーを制して2勝と気を吐き、先週のロイヤルアスコットの3歳マイル王決定戦G1セントジェームズパレスSもポエティックフレアが凱歌を上げています。残す愛ダービー、愛オークスでどれだけ白星を積み上げるのか?オブライエン劇場の幕は降りそうにありません。

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