きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

栄枯盛衰興亡のドラマ

6月18日は、柴田大知 騎手、柴田未崎 騎手の誕生日です。誕生日おめでとうございます!
ようこそいらっしゃいませ。

世界中の競馬好きが熱くなる初夏のお楽しみ「ロイヤルアスコット」開催がたけなわです。昨夜までに3日間の日程を終え、今夜と明夜、残す2日間へスパートします。今年は馬主、調教師など各国ホースマンの皆さんも、パンデミックに負けじと力が入っていて、考えられる最上級のサラブレッドが参戦してくれました。競馬を大事に想い、アスコット開催を愛する皆さんのホースマン魂がヒシヒシと伝わって来ます。

300年以上前にアスコット競馬場を創設したアン女王を顕彰する開幕初日第1レースのG1クイーンアンSには、世界ランキングでレーティング世界一のパレスピアが登場し、チャンピオンらしい横綱相撲で完勝しています。古馬となった今季は3戦3勝の無傷街道一直線。持ち前の瞬発力に一層の磨きがかかり、本来の切れ味に加えて安定味を増してきた気がします。今年から息子さんとジョン&タディ・ゴスデン共同厩舎を立ち上げたゴスデン師は、マイラーとしての絶対能力の上にサセックスS、ジャックルマロワ賞の英仏頂上戦に向かうのか、中距離ランナーとしての可能性を信じて2000m級のチャンピオンズシリーズに殴り込むのか、非常に悩ましい判断が待っています。

エイダン・オブライエン厩舎の女帝ラヴも2日目のG1プリンスオブウェールズSで順調に今季のスタートを切りました。逃げて後続の厳しい追撃に抜かれそうで頑として抜かせない強い内容の勝利でした。どこまで走っても順位は変わらないまま、そんな印象でしたね。これで凱旋門賞は同厩の後輩でディープインパクト産駒のスノーフォールとまったくイーブンの6倍で1番人気に並びました。これからの展開が楽しみです。一方で初日の電撃王決定戦G1キングススタンドSのバターシュ、3日目の4000mのマラソン王最高位争奪戦G1ゴールドCのストラディヴァリウスが、ともに4着と敗れたのはショックでした。ともに7歳のベテランですが、近年はそぞれのカテゴリーで絶対的な強さを誇ってきました。世代交代の風なのでしょう。こうした新旧勢力の盛衰興亡のドラマも、ロイヤルアスコットらしいと言えばそうなのですが、なんだか複雑な思いも入り混じります。

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