きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

歌人“京雅”さんからの和歌(沓冠) 皐月賞

4月22日は、太宰啓介 騎手の誕生日です。誕生日おめでとうございます!
先週は中山馬主協会の地元・中山競馬場でクラシック第一弾の皐月賞(GI)が行われました。1番人気ダノンザキッドと2番人気エフフォーリア、注目の2頭の初対戦はエフフォーリアに軍配が上がりました。覆面歌人の京雅さんからは、この皐月賞の和歌が届きました。是非、隠れたメッセージを読み解いてください。(メッセージの答えは最後に)

皐月賞 京雅

無敵無比
花あるスター
いい進路
出ろ坂パワー
伸びハナ咲くよ

隠れたメッセージは「むはいでの ひーろーよ → 無敗での ヒーローよ」です。
無()敵無比(
花()あるスター(
い()い進路(
出()ろ坂パワー(
伸()びハナ咲くよ(


<京雅さんの和歌【沓冠】の解説>
2歳チャンピオンのダノンザキッド、無敗で皐月賞に駒を進めたエフフォーリアが人気でも競い合い、最終オッズ3,3倍のダノンザキッド、3,7倍のエフフォーリアという人気でスタートの時を迎えました。
スタートから3コーナーまでは2頭がピッタリと並ぶ形。そして、4コーナーで先に鞍上の手が動き始めたのは、2歳チャンピオンのダノンザキッドでした。川田将雅騎手が懸命に促すも徐々に手応えが悪くなるダノンザキッドを見ながら、エフフォーリアは馬群の内よりに進路を見出します。コーナーワークで開いた“いい進路”を目掛けて、直線入り口で一気に末脚爆発。中山の急坂を抜群のパワーで抜け出すと後続を引き離す“無敵無比”の強さを発揮。新たなスターが皐月賞を制し、無敗というおまけ付きで自身の勲章に花を咲かせました。

無敗での皐月賞制覇は昨年のコントレイルに続く2年連続。そして鞍上の横山武史騎手はこれが嬉しいGI初制覇。デビューから着実に力を付け、昨年一気にブレイク。満を持して迎えた2021年に大きなタイトルを手にしました。父の横山典弘騎手と同じくデビュー5年目でGI初制覇。人馬ともにニューヒーローが誕生し、今後の活躍が期待される皐月賞となりました。


※ 【沓冠】の解説
和歌の折句の一種。意味のある10文字の語句を、各句の初め(冠)と終わり(沓)に1字ずつ詠み込んだもの。「沓」とは、体の一番下に着けるもので、「冠」とは、一番上に着けるものであることから、「沓冠」といわれる。 平安貴族の「言葉遊び」で、短歌の中に、本文とは違う言葉を忍び込ませて、和歌の表面とは違ったメッセージを密かに伝えているところが、面白いところ。

※歌人“京雅”さん
長く競馬サークルに住みついている覆面歌人。昨年から、当協会ホームページで連載開始。渾身の一首をお届けするので皆さんも、是非、謎解きに挑戦してください。

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