きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

歌人“京雅”さんからの和歌(沓冠) 桜花賞

4月15日は、石栗龍彦 調教師の誕生日です。誕生日おめでとうございます!
いよいよ先週から春のクラシックがスタートし、牝馬によるマイル戦・桜花賞(GⅠ)が阪神競馬場で行われました。昨年の2歳女王決定戦・阪神ジュベナイルフィリーズ(GⅠ)で熱戦を繰り広げた2頭が人気を集め、レースも再び2頭によるデッドヒートとなりました。覆面歌人の京雅さんからは、この桜花賞の和歌が届きました。是非、隠れたメッセージを読み解いてください。(メッセージの答えは最後に)

桜花賞 京雅

花は咲く
来るよ内ほら
抜群脚
まあ抜けて勝つ
馬は実力

隠れたメッセージは「はくばまう くらしつく → 白馬舞う クラシック」です。
花()は咲く(
来()るよ内ほら(
抜()群脚(
ま()あ抜けて勝つ(
馬()は実力(


<京雅さんの和歌【沓冠】の解説>
阪神ジュベナイルフィリーズの雪辱に燃えるサトノレイナスが3.3倍の1番人気、2歳女王に輝き白馬初のGⅠ勝利を成し遂げたソダシ3.6倍の2番人気で、発走前から激しく火花散る2頭。その様相はレースにも表れ、ソダシが先に抜け出したところに、サトノレイナスが32.9秒の末脚で猛然と追い込む展開。サトノレイナスが並びかけようとした瞬間がゴール。クビ差ソダシが凌ぎ切り、サトノレイナスとの再戦を勝利で飾りました。
当日の阪神競馬場は、まだ桜が残り、花咲く中での桜花賞。馬群の内側から純白を靡かせ抜群の脚で抜け出す白馬ソダシの姿はグリーンの芝に良く映えました。
鞍上の吉田隼人騎手はクラシック初制覇を達成し、相棒ソダシに対して「高速馬場なので最後は分が悪いかと思いましたが、馬の力に助けられました。」「周りからも(白毛という)話題だけで、本当に強いのかという感じで見られていたので、なんとか見返してやろうという気持ちでした。本当に実力も付けてきてくれて、自分が思っている以上に馬は成長している。」とコメント。人気・実力とも世代のトップであることを証明した桜花賞となり、まさに”白馬舞う クラシック”という隠れたメッセージが相応しい走りでした。

惜しくも敗れたサトノレイナスについて、鞍上のルメール騎手は大外18番枠からのレースを嘆きつつも、次走のオークスに向けて早くも切り替えているコメントがありました。
ソダシとサトノレイナス。2頭のライバル対決第3戦は5月のオークスとなりそうです。良き、ライバル関係で競馬を一層盛り上げていってくれるでしょう。


※ 【沓冠】の解説
和歌の折句の一種。意味のある10文字の語句を、各句の初め(冠)と終わり(沓)に1字ずつ詠み込んだもの。「沓」とは、体の一番下に着けるもので、「冠」とは、一番上に着けるものであることから、「沓冠」といわれる。 平安貴族の「言葉遊び」で、短歌の中に、本文とは違う言葉を忍び込ませて、和歌の表面とは違ったメッセージを密かに伝えているところが、面白いところ。

※歌人“京雅”さん
長く競馬サークルに住みついている覆面歌人。昨年から、当協会ホームページで連載開始。渾身の一首をお届けするので皆さんも、是非、謎解きに挑戦してください。

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