きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

歌人“京雅”さんからの和歌(沓冠) 金鯱賞

3月18日は、鈴木 慶太 騎手の誕生日です。誕生日おめでとうございます!
春競馬はGIに向けた前哨戦が熱を帯びています。先週は大阪杯(GI)の前哨戦・金鯱賞(GII)や桜花賞トライアル・フィリーズレビュー(GII)が行われました。覆面歌人の京雅さんからは、中京競馬場の名物重賞、金鯱賞の和歌が届きました。是非、隠れたメッセージを読み解いてください。(メッセージの答えは最後に)

金鯱賞 京雅

人気なき
元気の化身
ねえターボ
馬群を離し
リード逃げ切りだ

隠れたメッセージは「にげねばり きんぼしだ → 逃げ粘り 金星だ」です。
人()気なき(
元()気の化身(
ね()えターボ(
馬()群を離し(
リ()ード逃げ切りだ(


<京雅さんの和歌【沓冠】の解説>
かつては夏や冬の中京名物として施行されていた金鯱賞ですが、近年は春の大阪杯(GI)の前哨戦という大役を担って開催されています。
今年は無敗で牝馬三冠を制したデアリングタクトが出走するということで注目度も増しましたが、終わってみると10頭立ての10番人気ギベオンがあっと驚く大金星を挙げました。
ギベオンは戦前の作戦通りスタートからハナに。「追い切りに乗った時の状態も良かった」と鞍上の西村淳也騎手が語ったように元気の化身ギベオンは、直線でターボを効かせてジリジリと後続の馬群を引き離します。
最後の数メートルはさすがにバテ、1番人気のデアリングタクトが襲い掛かりましたが、クビ差残して優勝。ギベオンの馬名の由来は「ナミビアで発見された隕石の名」のようですが「落ちる隕石」どころか、隠れたメッセージの通り逃げ粘りで大金星を挙げました。

このギベオンが演出した大波乱もあり、この日のWIN5は史上最高額となる5億5444万6060円の払い戻しが記録されました。
また鞍上の西村淳也騎手はこれが初重賞制覇。勝利騎手インタビューでは「後輩が重賞を勝っているので、勝ててうれしい」とコメント。同世代で切磋琢磨し、今後の活躍にも益々、期待したいところです。


※ 【沓冠】の解説
和歌の折句の一種。意味のある10文字の語句を、各句の初め(冠)と終わり(沓)に1字ずつ詠み込んだもの。「沓」とは、体の一番下に着けるもので、「冠」とは、一番上に着けるものであることから、「沓冠」といわれる。 平安貴族の「言葉遊び」で、短歌の中に、本文とは違う言葉を忍び込ませて、和歌の表面とは違ったメッセージを密かに伝えているところが、面白いところ。

※歌人“京雅”さん
長く競馬サークルに住みついている覆面歌人。昨年から、当協会ホームページで連載開始。渾身の一首をお届けするので皆さんも、是非、謎解きに挑戦してください。

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