きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

歌人“京雅”さんからの和歌(沓冠) 弥生賞ディープインパクト記念

3月11日は、菅原 隆一 騎手の誕生日です。誕生日おめでとうございます!
先週より春のクラシックに出走するためのトライアル競走が行われております。土曜日には桜花賞トライアル・チューリップ賞(GII)が施行され、メイケイエールとエリザベスタワーの同着決着という珍しい結果となりました。そして、日曜日は皐月賞トライアル・弥生賞ディープインパクト記念(GII)が行われました。覆面歌人の京雅さんからは、この弥生賞ディープインパクト記念の和歌が届きました。是非、隠れたメッセージを読み解いてください。(メッセージの答えは最後に)

弥生賞ディープインパクト記念 京雅

やる気維持
ようやくスター
いざ取るわ
飛び出し抜群
リードし勝利へ

隠れたメッセージは「やよいとり じーわんへ → 弥生取り GIへ」です。
や()る気維持(
よ()うやくスター(
い()ざ取るわ(
飛()び出し抜群(
リ()ードし勝利へ(


<京雅さんの和歌【沓冠】の解説>
昨年より名馬ディープインパクトの名を称することとなった、弥生賞ディープインパクト記念。皐月賞のトライアルに相応しく2歳チャンピオンのダノンザキッドをはじめとする精鋭が集結しました。
この注目のレースを制し、見事、皐月賞への切符を手にしたのはタイトルホルダーでした。
レース直前の火曜日には腹痛を発症し、大事を取って追い切りを木曜日にずらし、馬の体調を最優先に調教を行いました。この馬の長所でもあり、短所でもある”やる気”という面について、鞍上の横山武史騎手は戦前に「カッとしやすいところをどうするかがカギ」と語っていましたが、スタートで抜群の飛び出しを見せ、先手を主張すると、その後はマイペースで逃げて、気持ちを維持させることに成功。気持ちよく快走すると、直線に向いてもスピードは衰えずリードを保ち、後続に影をも踏ませず、先頭でゴール板を駆け抜けました。
この日の最大の注目馬はダノンザキッドでしたが、東京スポーツ杯2歳ステークス(GIII)、ホープフルステークス(GI)と2連敗を喫していたライバルに雪辱を果たす勝利。今後は弥生賞ディープインパクト記念を取り、いざ取るわ、GI・皐月賞といった意気込みでしょう。

このレースで1番人気に支持されたダノンザキッドについて、レース後、鞍上の川田将雅騎手は「テンションが高くて、レースは力みながらになりました。これを使って(力みが)抜けてくれればと思います」とコメント。本番の皐月賞では4度目の対戦となりそうなタイトルホルダーとダノンザキッド。2頭の勝敗は今後も注目です。


※ 【沓冠】の解説
和歌の折句の一種。意味のある10文字の語句を、各句の初め(冠)と終わり(沓)に1字ずつ詠み込んだもの。「沓」とは、体の一番下に着けるもので、「冠」とは、一番上に着けるものであることから、「沓冠」といわれる。 平安貴族の「言葉遊び」で、短歌の中に、本文とは違う言葉を忍び込ませて、和歌の表面とは違ったメッセージを密かに伝えているところが、面白いところ。

※歌人“京雅”さん
長く競馬サークルに住みついている覆面歌人。昨年から、当協会ホームページで連載開始。渾身の一首をお届けするので皆さんも、是非、謎解きに挑戦してください。

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