きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

歌人“京雅”さんからの和歌(沓冠) 中山記念

3月4日は、加藤 和宏 調教師、牧田 和弥 調教師、和田 勇介 調教師の誕生日です。誕生日おめでとうございます!
競馬のカレンダーでは先週の土曜日からが春開催。中山競馬場では春の訪れを告げる伝統の重賞・中山記念(GII)が行われました。覆面歌人の京雅さんからも、この中山記念の和歌が届きました。是非、隠れたメッセージを読み解いてください。(メッセージの答えは最後に)

中山記念 京雅

いい位置と
グッと抜けいま
上がるほら
スパート凄いな
頑張る叩き合い

隠れたメッセージは「いぐあすが とまらない → イグアスが 止まらない」です。
い()い位置と(
グ()ッと抜けいま(
上()がるほら(
ス()パート凄いな(
頑()張る叩き合い(


<京雅さんの和歌【沓冠】の解説>
この先の大阪杯(GI)や海外のGIに向けた前哨戦として重要な役割を担う中山記念。GI馬不在の今年は、まさにここから飛躍を期する14頭がゲートインしました。
優勝したのは、年明けの中山金杯(GIII)で福を掴んだヒシイグアスで、最後は西の京都金杯(GIII)を年初に制して同じく福を手にしたケイデンスコールとの壮絶な叩き合いでした。
ヒシイグアスは逃げ2頭が1000mを57秒8というハイペースで刻む中、離れた4番手という、いい位置で折り合うと、4コーナーで一気に前との差を詰め、ポジションを上げていくと、直線では、中山の急坂をグッと駆け抜け、スパート見せます。同じく力強く駆け上がるケイデンスコールとの福馬対決を叩き合いの末制し、伝統の中山記念を制しました。
ヒシイグアスはこれで、昨年春の石和特別から重賞2勝を含む4連勝。まさに”ヒシイグアスの勢いは止まらない!!”絶好調を感じさせる走りで、GIという更なる高みを目指していきます。

さて、競馬サークルでは2月末は別れの季節でもあります。今年も8名の調教師と数多くのGIを制した蛯名正義騎手が引退しました。
京雅さんから、蛯名正義騎手引退の和歌が届いておりますので、ご覧ください。
※5句目の最初は拗音で読み取りください。

栄誉まあ
美技二鞍勝利
涙目が
騎手の別れと
周囲感動

隠れたメッセージは「えびなきしゅ ありがとう → 蛯名騎手 ありがとう」です。

数多く感動を届けてくれた蛯名騎手。最後となる2月28日も美技で2勝を挙げました。引退セレモニーでは家族への感謝を語り涙する場面もありました。既に調教師として新たなスタートを切っており、“蛯名正義調教師”にも騎手時代と同様、それ以上の活躍を期待したい、そのような願いの込められた和歌です。


※ 【沓冠】の解説
和歌の折句の一種。意味のある10文字の語句を、各句の初め(冠)と終わり(沓)に1字ずつ詠み込んだもの。「沓」とは、体の一番下に着けるもので、「冠」とは、一番上に着けるものであることから、「沓冠」といわれる。 平安貴族の「言葉遊び」で、短歌の中に、本文とは違う言葉を忍び込ませて、和歌の表面とは違ったメッセージを密かに伝えているところが、面白いところ。

※歌人“京雅”さん
長く競馬サークルに住みついている覆面歌人。昨年から、当協会ホームページで連載開始。渾身の一首をお届けするので皆さんも、是非、謎解きに挑戦してください。


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