きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

歌人“京雅”さんからの和歌(沓冠) きさらぎ賞

先週は、東京競馬場でマイル重賞の東京新聞杯(GIII)が、京都競馬場では、クラシック戦線に繋がる、きさらぎ賞(GIII)が行われました。覆面歌人の京雅さんからは、当協会会員の林 正道様のご愛馬ラーゴムが優勝したきさらぎ賞の和歌が届きました。是非、隠れたメッセージを読み解いてください。(メッセージの答えは最後に)

きさらぎ賞 京雅

馬は燃ゆ
まずは控えめ
抜けて勝つ
凌ぎ切ったな
望みをつなぐ

隠れたメッセージは「うまぬしの ゆめつなぐ → 馬主の 夢繋ぐ」です。
馬()は燃ゆ(
ま()ずは控えめ(
抜()けて勝つ(
凌()ぎ切ったな(
望()みをつなぐ(


<京雅さんの和歌【沓冠】の解説>
クラシックを目指す馬たちが集結した、きさらぎ賞。今年は35年ぶりに中京競馬場での開催となりました。優勝したのは重賞でも連帯経験のあるオルフェーブル産駒のラーゴムでした。
父譲りの気性で、道中も少し口を割るシーンもありましたが、それだけ馬が燃えている証拠。溢れる闘争心をグッと抑えて、3番手で追走。直線では、早めに逃げ馬を捕えて抜け出したところに、大外からGⅠでも好走したヨーホーレイクが襲い掛かりますが、何とか凌ぎ切ったところがゴール板でした。これで、クラシックに向けて十分な賞金を獲得でき、ローテンションも種々選択が可能となりました。クラシック初戦の皐月賞(GⅠ)は4月18日。約2か月の間にラーゴムがどれほど成長するかも非常に楽しみです。

オーナーの林 正道様はきさらぎ賞前に「春のクラシックに出走できるか試されるレース。春のクラシックはノーザンリバーで挑戦した以降、なかなかその舞台に立てなかった。ラーゴムがクラシックという夢に繋がる走りをしてくれることを願っている」と語っており、まさに、隠れたメッセージの通り馬主の林 正道様の夢を繋ぐ走りとなりました。

今週は、東京競馬場で出世レースとしても知られる共同通信杯(GIII)が行われます。初戦の皐月賞や同じ東京競馬場で行われる日本ダービー(GI)を目指す戦いが繰り広げられます。熱戦に期待しましょう!

<京雅さんからもう一首>
夢はほら
目指すはスター
強い最後
なんとか頼む
群馬凌いで


隠れたメッセージは「ゆめつなぐ らーごむで → 夢繋ぐ ラーゴムで」です。


※ 【沓冠】の解説
和歌の折句の一種。意味のある10文字の語句を、各句の初め(冠)と終わり(沓)に1字ずつ詠み込んだもの。「沓」とは、体の一番下に着けるもので、「冠」とは、一番上に着けるものであることから、「沓冠」といわれる。 平安貴族の「言葉遊び」で、短歌の中に、本文とは違う言葉を忍び込ませて、和歌の表面とは違ったメッセージを密かに伝えているところが、面白いところ。

※歌人“京雅”さん
長く競馬サークルに住みついている覆面歌人。昨年から、当協会ホームページで連載開始。渾身の一首をお届けするので皆さんも、是非、謎解きに挑戦してください。

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