きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

歌人“京雅”さんからの和歌(沓冠) フェブラリーステークス

2月25日は、田中 勝春 騎手、藤懸 貴志 騎手の誕生日です。誕生日おめでとうございます!
先週は2021年最初のJRAGI・フェブラリーステークスが行われました。覆面歌人の京雅さんからは、このフェブラリーステークスの和歌が届きました。是非、隠れたメッセージを読み解いてください。(メッセージの答えは最後に)

フェブラリーステークス 京雅

不安なし
あの位置万全
楽な顔
追って颯爽
ガッツでハナに

隠れたメッセージは「ふあらいが しんおうに → ファラオが 新王に」です。
不()安なし(
あ()の位置万全(
楽()な顔(
追()って颯爽(
ガ()ッツでハナに(


<京雅さんの和歌【沓冠】の解説>
1997年にGIに昇格して以降、その年に行われる最初のJRAGIとしてすっかり定着したフェブラリーステークス。今年も砂の王を目指して、16頭が集結しました。
優勝したのは、同じコースで行われた昨年6月のユニコーンステークス(GIII)を圧倒的なパフォーマンスで優勝したカフェファラオでした。暮れのチャンピオンズカップでは古馬たちの前に後塵を拝しましたが、年が明けて4歳初戦の大一番で、見事な走りを披露しました。
「パドックから自信を持っていた」と鞍上のC.ルメール騎手が語るように、この日は不安なし。良いスタートで3番手という万全の位置取りを取ることができ、流れに乗ることができたカフェファラオは折り合いも付き、“楽な顔”といったところでしょう。直線に向いて、手応え抜群のまま颯爽と追い始めるルメール騎手。逃げ馬エアアルマスが粘るところをガッツで交わすと、今度は後ろから襲い掛かるエアスピネルをこれまた根性(ガッツ)で粘りこんだところがゴールでした。
戦前より混戦模様とされていた今年のフェブラリーステークス。新たなチャンピオンはどの馬かと注目を集めていましたが、エジプトの王=ファラオの名がつくカフェファラオが砂の新王となった一戦でした。

カフェファラオの父アメリカンファラオは、アメリカの3冠馬。父は3歳で引退し種牡馬入りしましたが、カフェファラオは4歳で初のGI勝利。今後、どこまで成長するのか、新たな王の旅路は始まったばかりです。


※ 【沓冠】の解説
和歌の折句の一種。意味のある10文字の語句を、各句の初め(冠)と終わり(沓)に1字ずつ詠み込んだもの。「沓」とは、体の一番下に着けるもので、「冠」とは、一番上に着けるものであることから、「沓冠」といわれる。 平安貴族の「言葉遊び」で、短歌の中に、本文とは違う言葉を忍び込ませて、和歌の表面とは違ったメッセージを密かに伝えているところが、面白いところ。

※歌人“京雅”さん
長く競馬サークルに住みついている覆面歌人。昨年から、当協会ホームページで連載開始。渾身の一首をお届けするので皆さんも、是非、謎解きに挑戦してください。


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