きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

歌人“京雅”さんからの和歌(沓冠) 有馬記念

12月31日は、藤井 勘一郎 騎手、武 英智 調教師の誕生日です。誕生日おめでとうございます!
先週は、一年の総決算、グランプリ・有馬記念(GI)が行われました。歳末の大一番を制したのは春のグランプリホース、クロノジェネシスでした。覆面歌人の京雅さんからは、この有馬記念の和歌が届きました。是非、隠れたメッセージを読み解いてください。(メッセージの答えは最後に)

有馬記念 京雅

クロノあぐ
レース見てほら
もう自信
かわしてトップ
強く抜けたり

隠れたメッセージは「くれもかつ ぐらんぷり → 暮れも勝つ グランプリ」です。
ク()ロノあぐ(
レ()ース見てほら(
も()う自信(
か()わしてトップ(
強()く抜けたり(


<京雅さんの和歌【沓冠】の解説>
暮れのグランプリ・有馬記念は、春のグランプリホース・クロノジェネシスが圧巻の走りを見せましたね。
「クロノあぐ」はクロノジェネシスが徐々にペースを上げて進出する3コーナー~4コーナーの様子を描いた描写。先行で進めた同じ勝負服のライバル、フィエールマンやラッキーライラックなどのレース展開も見ながら、自信満々で外側から進出します。直線では、先に抜け出したフィエールマンとの叩き合いとなりましたが、鋭く抜け、かわしてトップ。最後、牝馬サラキアの強襲にあうも、クビ差残して暮れのグランプリ・有馬記念を制しました。
今年の牡牝混合のGI競走で牝馬が優勝したのはなんと9つ。このうち、牝馬のワンツーフィニッシュに決まったのは4度と、近年の牝馬が強い競馬を象徴するように、クロノジェネシスという強い牝馬が、有力馬を力でねじ伏せた、そんな2020年の有馬記念でした。

さて、本日は大みそかということで、毎日更新をしている“きょうの蹄音”の2020年の締めは京雅さんの和歌をお届けしました。皆様の2020年はどんな年だったでしょうか。
年が明け、次回の京雅さんの和歌は1月7日の予定。こちらでは、1月5日(火)に行われる金杯の和歌を詠んでいただく予定です。
今年一年、“きょうの蹄音”をご覧いただき誠にありがとうございました。来年こそ、競馬場に満員のお客様が戻ることを祈っております。
それでは、よいお年をお迎えくださいませ!


※ 【沓冠】の解説
和歌の折句の一種。意味のある10文字の語句を、各句の初め(冠)と終わり(沓)に1字ずつ詠み込んだもの。「沓」とは、体の一番下に着けるもので、「冠」とは、一番上に着けるものであることから、「沓冠」といわれる。 平安貴族の「言葉遊び」で、短歌の中に、本文とは違う言葉を忍び込ませて、和歌の表面とは違ったメッセージを密かに伝えているところが、面白いところ。

※歌人“京雅”さん
長く競馬サークルに住みついている覆面歌人。本年から、当協会ホームページで連載開始。渾身の一首をお届けするので皆さんも、是非、謎解きに挑戦してください。

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