きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

歌人“京雅”さんからの和歌(沓冠) 朝日杯フューチュリティステークス

12月24日は、石坂 正 調教師、杉山 晴紀 調教師の誕生日です。誕生日おめでとうございます!
2歳牝馬のGI・阪神ジュベナイルフィリーズに続き、先週はマイル戦で行われる2歳快速馬決定戦・朝日杯フューチュリティステークス(GI)が行われました。覆面歌人の京雅さんからは、この朝日杯フューチュリティステークスの和歌が届きました。是非、隠れたメッセージを読み解いてください。(メッセージの答えは最後に)

朝日杯フューチュリティステークス 京雅

快調に
今は待機さ
そして来い
苦闘駆けなお
伸びて快勝

隠れたメッセージは「かいそくの にさいおう → 快速の 二歳王」です。
快()調に(
今()は待機さ(
そ()して来い(
苦()闘駆けなお(
伸()びて快勝(


<京雅さんの和歌【沓冠】の解説>
近3年の優勝馬を見ただけでもダノンプレミアム、アドマイヤマーズ、サリオスとその後のGI戦線を賑わす活躍を見せている、伝統の2歳GI競走・朝日杯フューチュリティステークス。かつては朝日杯(盃)3歳ステークスという名でも多くの名馬をクラシック戦線に送り出しました。
今年は、デイリー杯2歳ステークス(GII)をレコード勝ちしたレッドベルオーブが人気となりましたが、優勝したのはフランケル産駒のグレナディアガーズ。2歳未勝利戦を勝ち上がったばかりの馬の激走でした。
逃げたC.ルメール騎手鞍上のモントライゼがハイペースのラップを刻む中、グレナディアガーズは離れた2番手グループで馬の気分を害さないように、気持ちよく快調に追走。逃げ馬との距離を測りつつ、さらに後続の動向も視野に入れながら「今は待機さ」と好位から抜け出す瞬間を虎視眈々と伺います。そして直線、「来い!」という川田騎手の心の叫び、さらにはファンの声を背にグレナディアガーズが阪神の急坂を駆けあがります。すでに重賞を制している人気馬2頭が後方から迫る中、グレナディアガーズが伸びて快勝。マイルの2歳GIを制して、まさに「快速の二歳王」グレナディアガーズの誕生です。

グレナディアガーズの母ウェイヴェルアベニューはアメリカのブリーダーズカップフィリー&メアスプリント(GI)の優勝馬。そこに欧州のマイル~中距離の絶対王者だったフランケルを掛け合わせた配合がグレナディアガーズ。欧米の血が日本で躍動した週末でした。ノーザンテースト産駒やサンデーサイレンス産駒など、欧米の血統が日本で躍動したように、欧米の遺伝子を持つグレナディアガーズの今後の活躍にも注目です。


※ 【沓冠】の解説
和歌の折句の一種。意味のある10文字の語句を、各句の初め(冠)と終わり(沓)に1字ずつ詠み込んだもの。「沓」とは、体の一番下に着けるもので、「冠」とは、一番上に着けるものであることから、「沓冠」といわれる。 平安貴族の「言葉遊び」で、短歌の中に、本文とは違う言葉を忍び込ませて、和歌の表面とは違ったメッセージを密かに伝えているところが、面白いところ。

※歌人“京雅”さん
長く競馬サークルに住みついている覆面歌人。本年から、当協会ホームページで連載開始。渾身の一首をお届けするので皆さんも、是非、謎解きに挑戦してください。


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