きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

歌人“京雅”さんからの和歌(沓冠) エリザベス女王杯

11月19日は、川又 賢治 騎手、長谷川 浩大 調教師の誕生日です。誕生日おめでとうございます!
先週はエリザベス女王杯(GI)が行われました。エリザベス女王杯から年末の有馬記念まで毎週GI競走が組まれており、ノンストップで年末まで駆け抜ける冬のGIシリーズ。満員の客席とはいかない状況ですが、競馬の盛り上がりは最高潮に達する季節です。覆面歌人の京雅さんからは、エリザベス女王杯の和歌が届きました。是非、隠れたメッセージを読み解いてください。(メッセージの答えは最後に)

エリザベス女王杯 京雅

どこであれ
馬は万全
どう突破
上手く抜けたな
トップ押し切り

隠れたメッセージは「どうどうと れんぱなり → 堂々と 連覇なり」です。
ど()こであれ(
馬()は万全(
ど()う突破(
上()手く抜けたな(
ト()ップ押し切り(


<京雅さんの和歌【沓冠】の解説>
今年は阪神競馬場で行われた第45回エリザベス女王杯。秋の女王決定戦という位置づけで、乙女たちの熱い戦いが繰り広げられました。
連覇を目指すラッキーライラックは大外8枠18番。当初より夏の札幌記念(GII)のあとはエリザベス女王杯を予定していたため、馬は万全の状態。ルメール騎手が「18番枠で結構きついと思った」と語っていましたが、ラッキーライラックは外枠も、京都競馬場改修による阪神競馬場での振替実施も全く問題ありませんでした。
ノームコアが逃げて淀みのないラップで刻む中、縦長の隊列の中段やや後方に位置したラッキーライラック。どう突破するか、と鞍上も思案しながらの騎乗だったかもしれませんが、馬の力と外枠を活かして、他馬に被らされることのないようにラッキーライラックを導きます。3コーナーから馬群の外側を徐々に進出すると、直線入り口では早くも3番手。残すは先頭(トップ)に出て押し切るだけ。抜群の手応えのまま早め先頭で抜け出すと、迫る後続のサラキアとラヴズオンリーユーをクビ差+クビ差で退け、まさに“堂々と 連覇なり”の瞬間でした。

ラッキーライラックは5歳牝馬。これでGI競走は4勝目。同世代にあのアーモンドアイがいながらにしてこの戦績ですから、「アーモンドアイがいなければもっとGI勝利を重ねていたのか・・・」「アーモンドアイにラッキーライラック・・・この世代の牝馬は強い!」と様々なことを思い浮かべてしまう華麗な連覇でした。

さて来週は、マイルチャンピオンシップ(GI)が行われます。安田記念、スプリンターズステークスとGIを連勝しているグランアレグリアに、3冠馬コントレイルの最大のライバルだったサリオスが挑む構図となっています。次週も京雅さんの和歌をお楽しみに!


※ 【沓冠】の解説
和歌の折句の一種。意味のある10文字の語句を、各句の初め(冠)と終わり(沓)に1字ずつ詠み込んだもの。「沓」とは、体の一番下に着けるもので、「冠」とは、一番上に着けるものであることから、「沓冠」といわれる。 平安貴族の「言葉遊び」で、短歌の中に、本文とは違う言葉を忍び込ませて、和歌の表面とは違ったメッセージを密かに伝えているところが、面白いところ。

※歌人“京雅”さん
長く競馬サークルに住みついている覆面歌人。本年から、当協会ホームページで連載開始。渾身の一首をお届けするので皆さんも、是非、謎解きに挑戦してください。

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