きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

歌人“京雅”さんからの和歌(沓冠) セントライト記念

9月24日は、清水 英克 調教師の誕生日です。誕生日おめでとうございます!
先週は牡馬・牝馬ともにクラシック最終戦へのトライアル競走が行われました。覆面歌人の京雅さんからは、菊花賞へのトライアル・セントライト記念(GII)の和歌が届きました。是非、隠れたメッセージを読み解いてください。(メッセージの答えは最後に)

セントライト記念 京雅

抜群で
秒速自慢
強さ見せ
トップ逃げ勝つ
出番は菊さ

隠れたメッセージは「ばびつとで でんせつさ → バビットで 伝説さ」です。
抜()群で(
秒()速自慢(
強()さ見せ(
ト()ップ逃げ勝つ(
出()番は菊さ(


<京雅さんの和歌【沓冠】の解説>
菊花賞へ繋がるGII・セントライト記念。春の活躍馬か、夏の上がり馬か、大舞台を目指して精鋭12頭が中山競馬場に集結しました。
優勝したのは、3連勝でこの舞台に臨んだ夏の上がり馬の代表、ナカヤマフェスタ産駒のバビット。夏のラジオNIKKEI賞(GIII)優勝の実力は本物で、このレースでも自慢の金のタテガミを靡かせて逃げます。
最後の直線では春の実績馬、報知杯弥生賞ディープインパクト記念(GII)優勝のサトノフラッグが迫りますが、粘り腰がこの馬の真骨頂。強さを見せつけて、逃げ粘り、見事、重賞を連勝。4連勝で大舞台の菊花賞へ挑戦する権利を手にしました。バビットはこれで6戦4勝2着2回と連帯率100%。コントレイルという無敗の2冠馬の牙城を崩せるか、今から楽しみです。
また、「菊さ」は「聞くさ」との掛詞。このレースの後、バビットはきっと「次の出番を聞く」ことでしょう。そして、オーナーはきっと「次の出番は菊(菊花賞)さ」と答えるでしょう。そんな人馬のやりとりを想像した最後の句です。

オーナーの宮田直也様は戦前から、「連勝で伝説を作る馬になって欲しい・・・というのがオーナーの希望です」とお話されていました。期待に応え連勝となったバビット。菊花賞も制して、真の伝説となれるか、オーナーとバビットの夢はまだまだ続きます。

菊花賞のトライアル競走は今週末にも神戸新聞杯が行われます。「最も強い馬が勝つ」と言われる菊花賞に歩みを進めるのはどの馬か。今週末も是非、競馬をお楽しみください。


※ 【沓冠】の解説
和歌の折句の一種。意味のある10文字の語句を、各句の初め(冠)と終わり(沓)に1字ずつ詠み込んだもの。「沓」とは、体の一番下に着けるもので、「冠」とは、一番上に着けるものであることから、「沓冠」といわれる。 平安貴族の「言葉遊び」で、短歌の中に、本文とは違う言葉を忍び込ませて、和歌の表面とは違ったメッセージを密かに伝えているところが、面白いところ。

※歌人“京雅”さん
長く競馬サークルに住みついている覆面歌人。本年から、当協会ホームページで連載開始。渾身の一首をお届けするので皆さんも、是非、謎解きに挑戦してください。

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