きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

歌人“京雅”さんからの和歌(沓冠) エルムステークス

先週は新潟でレパードステークス(GIII)、札幌でエルムステークス(GIII)と、ダート重賞が行われました。覆面歌人の京雅さんからは、当協会所属の(有)サンデーレーシング様が優勝したエルムステークスの和歌が届きました。是非、隠れたメッセージを読み解いてください。(メッセージの答えは最後に)

エルムステークス 京雅

とび出した
気迫も凄い
駒駆ると
エルムハナ来る
敵突き放すのだ

隠れたメッセージは「ときこえて たいとるだ → 時超えて タイトルだ」です。
と()び出した(
気()迫も凄い(
駒()駆ると(
エ()ルムハナ来る(
敵()突き放すのだ(


<京雅さんの和歌【沓冠】の解説>
先週末の北海道は天候が崩れる予報もありましたが、エルムステークスは良馬場での開催。優勝したのは2017年、ホープフルステークス(GI)以来の重賞勝利となったタイムフライヤー。馬名の由来は「時を超える者」で、長い年月遠ざかっていた重賞タイトルを、時を超えて獲得した、まさに隠れたメッセージの通りの嬉しい勝利となりました。鞍上のC.ルメール騎手、松田国英調教師ともにエルムステークスは初制覇となりました。
すでに芝のGIを獲得しているタイムフライヤーには、今後、芝ダート両GI制覇の期待が高まります。過去にはホクトベガ、イーグルカフェ、クロフネ、アグネスデジタル、アドマイヤドン、ヴィクトワールピサ(芝とオールウェザー)、モズアスコットの7頭が偉業を達成しております。秋のダートは地方交流競走も含めると多くのGIが組まれており、否が応でも夢が膨らみます。エルムステークスでの気迫あふれる直線の抜け出しのように、ダート界でも敵を突き放して王に君臨するのか!?今後のダートの勢力図にも注目が集まります。

さて今週からは、いよいよ夏の小倉競馬がスタートします。早速、日曜日にはサマー2000シリーズの小倉記念(GIII)が行われます。また新潟では、サマーマイルシリーズの関屋記念(GIII)が施行されます。両サマーシリーズの行方を左右するレースにもなりそうで、是非、週末も競馬をお楽しみください!


※ 【沓冠】の解説
和歌の折句の一種。意味のある10文字の語句を、各句の初め(冠)と終わり(沓)に1字ずつ詠み込んだもの。「沓」とは、体の一番下に着けるもので、「冠」とは、一番上に着けるものであることから、「沓冠」といわれる。 平安貴族の「言葉遊び」で、短歌の中に、本文とは違う言葉を忍び込ませて、和歌の表面とは違ったメッセージを密かに伝えているところが、面白いところ。

※歌人“京雅”さん
長く競馬サークルに住みついている覆面歌人。本年から、当協会ホームページで連載開始。渾身の一首をお届けするので皆さんも、是非、謎解きに挑戦してください。

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