きょうの蹄音競馬にまつわるちょっといい話

2020.8.14

調教師冥利

8月14日は、和田雄二 調教師の誕生日です。誕生日おめでとうございます!
ようこそいらっしゃいませ。

お盆ウィークには、各地の競馬が交流重賞を中心にファンを呼びますが、その第1弾!盛岡ダ1200mで行われたJpn3クラスターは、栗東・森秀行厩舎マテラスカイが武豊騎手を背に、2番手から鮮やかに抜け出して1分08秒5の日本レコードで勝利の女神を呼び寄せました。けっこう知名度の高い馬で、どこまで実績を積み上げたかと思えば、これが案外、重賞は中央&地方でG3プロキオンSに続くやっと2勝目です。ただしこのレースも1400m1分20秒3と芝並み時計の日本レコードでした。ご承知のように、他馬を寄せ付けない圧倒的な強さを見せつけるかと思えば、存外に脆いウィークポイントを併せ持った摩訶不思議なサラブレッドです。

この強いのか?弱いのか?良く分からないマテラスカイという馬は、海外遠征で想像を超えるパフォーマンスを披露することでも有名です。G1ドバイゴールデンシャヒーンでは、昨年の2着にもビックリしましたが、一昨年はマインドユアビスケッツ、エックスワイジェット、ロイエイチと文句のない世界強豪とゴール前で競り合い、5着に粘り込んだのはダート界の歴史的快挙でした。森秀行調教師は、日本ではトップと言えなくても、世界には通用する特殊な地力の持ち主を創造する異能の持ち主です。現3歳のフルフラットなんかもそういう馬で、日本のクラシック戦線では掲示板にも載れないのに、高額賞金で世界の注目を集めたサウジダービーでは、直後に仏ダービーを勝つミシェリフを破って金メダルを獲得しました。強いのやら、弱いのやら、まったく理解不能です。

森秀行師は、以前にも日本では遂にG1に手が届かなかったアグネスワールドとともにヨーロッパに渡り、フランスのアベイドロンシャン賞、イギリスのジュライCと2カ国のスプリントG1を制圧しています。いずれも直線競馬でコーナリングが不得手だったワールドは存分にスピードを生かすことができたのが勝因だったようです。条件が合わないなどの理由で日本ではG1に届かなくても、能力を100%、120%発揮できる舞台設定に巡り合えば、ファンや専門家が考える以上のポテンシャルを発揮する馬もいます。そうした新たな発見や挑戦は調教師冥利に尽きると言えるのではないでしょうか。ちなみにフルフラットはマテラスカイと同じ大野剛嗣オーナーの所有馬。こうした異能の開発には、調教師や厩舎スタッフにとどまらず、オーナーの競馬思想とか、志が大きく影響するようですね。