きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

ディープ一周忌に勝利の献花

7月31日は、飯田雄三 調教師、大根田裕之 調教師の誕生日です。誕生日おめでとうございます!
ようこそいらっしゃいませ。

まだ最終日1日を残していますが、競馬の母国イギリスの夏の風物詩グローリアス・グッドウッド開催は、お天気にも恵まれ良いコンディションで熱線を繰り広げて来ました。あちらの開催ごとの番組編成は、短距離から超長距離までバラエティ豊かな距離カテゴリーが網羅され、それを年齢別、性別に振り分けるフルラインナップ戦略を基本としています。競馬の真髄とレースの醍醐味を伝える古来の知恵の結晶です。日本に例をとると、一昔前まで暮れのチャンピオン決定シリーズとして、短距離のスプリンターズS、超長距離のステイヤーズS、マイルの朝日杯フューチュリティS、キングオブキングズ(王の中の王)決戦戦の有馬記念などが一堂に人気を競っていた師走の中山開催に似通ったイメージでしょうか。

さて、グローリアス・グッドウッドは小高い丘の中腹に「天空の城」のように築かれた「世界一美しい競馬場の一つ」と称賛されるグッドウッド競馬場を舞台に行われますが、今年の見所は概ね3つ。第一に3200mの超長距離G1グッドウッドC、このレース3連勝中の絶対王者ストラディヴァリウスが前人未到の4連覇を達成できるか?前走4000mのG1アスコットゴールドCを一追いで楽々と10馬身突き放し、同レース3連覇を飾ったばかりで死角らしい死角は見当たらなかったのですが、競馬は魔物、追うに追えない馬群に閉じ込められて絶体絶命の大ピンチ!しかし王者と名手デットーリは、薄氷を踏む思いながら何とか危機を脱して1馬身差でゴールします。スリリングな一番でした。第二は、フランスのジャックルマロワ賞と並ぶ真夏のマイル王決定戦サセックスS。例年、歴戦の古馬連が上昇気流に乗る3歳馬と初対決する事実上の頂上戦です。今年も4戦4勝で3歳チャンピオンに君臨したシスキンが人気でしたが、勝負どころで内を衝いて前が詰まったモハーザーがそこで一息入ったのが逆に幸いしたか?外に持ち出すことに成功すると一気に末脚を爆発させてG1初勝利をゲットしています。展開のアヤでしょうか?

第三のハイライトは、昨夜の牝馬限定G1ナッソーS、昨年の覇者である日本馬ディアドラがディフェンディング女王として出走しましたが、それ以上に大きな話題を呼んだのはディープインパクト産駒ファンシーブルーの存在でした。前走で強敵相手の仏オークスを真っ向微塵から制覇しています。新進調教師ドナカ・オブライエン師の管理馬ですが、父エイダン・オブライエン師はラヴというイギリスの牝馬二冠馬を擁しており、世間の眼はそちらへ向きがちですが、ファンシーも着実に女王の座への階段を登っています。ナッソーS当日は、奇しくもディープの一周忌。日本からも多くのファンが声援を送っていたでしょうが、彼女は見事に期待に応えてくれました。派手さはないですが、非常に勝負強い馬です。この日にキッチリG1をモノにするあたりも「持っている」からこそでしょう。この先も偉大なディープインパクトの名前を世界に轟かせてくれることでしょう。

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