きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

歌人“京雅”さんからの和歌(沓冠) 函館スプリントステークス

6月25日は、中井裕二 騎手の誕生日です。誕生日おめでとうございます!
先週は3歳ダート重賞・ユニコーンステークス(GIII)とサマースプリントシリーズ初戦・函館スプリントステークス(GIII)が行われました。どちらも1番人気がファンの期待に応えて優勝しましたが、覆面歌人の京雅さんからは、函館スプリントステークスの和歌が届きました。是非、隠れたメッセージを読み解いてください。(メッセージの答えは最後に)

函館スプリントステークス 京雅

走るハナ
ルーツ武勝つ
苦楽の日
やれテン乗りや
疾走で抜く

隠れたメッセージは「はるくやし なつひやく → 春悔し 夏飛躍」です。
走()るハナ(
ル()ーツ武勝つ(
苦()楽の日(
や()れテン乗りや(
疾()走で抜く(


<京雅さんの和歌【沓冠】の解説>
サマースプリントシリーズの初戦として、すっかりと定着した函館スプリントステークス。まずは初陣を飾り夏のスプリントチャンピオンを目指すフルゲート16頭が集まりました。
優勝したのは、春の阪急杯では降着、続く高松宮記念では、末脚をフル稼働した直後に進路が狭くなる不利と、春を悔しく過ごしたダイアトニックでした。
鞍上の武豊騎手は、「父の日に函館で勝つなんてね。いいことです。父のゆかりの地ですから。」と感慨深げ。初コンビの相棒ダイアトニックも、父ロードカナロア(12年2着)の雪辱を果たすとともに、初年度産駒として初の函館重賞タイトルをプレゼント。人馬ともに最高の親孝行ができたことでしょう。この勝利で、夏の飛躍、そして秋には、春に取り忘れたGIタイトルを奪取してほしい、きっと関係者はそう願っていることでしょう。

昨年は、禁止薬物による除外馬問題、そして今年は、新型コロナウイルスによる無観客競馬となりましたが、競走馬がフルゲートで無事に出走できたことがなによりです。来年は、満員のスタンドの元、競走馬が疾走し、夏の到来を告げて欲しいですね。


※ 【沓冠】の解説
和歌の折句の一種。意味のある10文字の語句を、各句の初め(冠)と終わり(沓)に1字ずつ詠み込んだもの。「沓」とは、体の一番下に着けるもので、「冠」とは、一番上に着けるものであることから、「沓冠」といわれる。 平安貴族の「言葉遊び」で、短歌の中に、本文とは違う言葉を忍び込ませて、和歌の表面とは違ったメッセージを密かに伝えているところが、面白いところ。

※歌人“京雅”さん
長く競馬サークルに住みついている覆面歌人。本年から、当協会ホームページで連載開始。渾身の一首をお届けするので皆さんも、是非、謎解きに挑戦してください。

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