きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

ディープ、海外クラシックに挑む!

6月12日は、服部利之 調教師の誕生日です。誕生日おめでとうございます!
ようこそいらっしゃいませ。

6月に入り、ようやくフランス、イギリスでクラシックが開幕し、今週はアイルランドで2000ギニー&1000ギニーが行われます。ご承知の誰もが初めて経験するような変則日程で、ここまで1番人気馬は6戦6勝の怪物候補ピナトゥボが3着に敗れるなど1勝3敗と期待を裏切る結果に終わっています。各地ともそうでしたが、とくにアイルランドは競馬再開が遅かったため、ブッツケ本番の馬がほとんどで、勝馬推理をいっそう難解にさせています。今夜発走の愛2000ギニーには、G1フェニックスSを含めて4戦4勝とこれも負け知らずのシスキンが登場します。ただ勝利のすべてが1200m戦で、果たして距離延長を克服できるのか?難しい競馬になりそうです。

明日は牝馬による愛1000ギニー。英愛の2カ国ダービー、BCターフ連覇などの強豪ハイシャパラルの全妹が、日本でディープインパクトを種付されてアイルランドで生まれた良血馬ファンシーブルーの出番です。偉大な伯父同様に名門エイダン・オブライエン厩舎からデビューして、2戦2勝とクラシックロードに歩を進めましたが、前走後に騎手だった子息ドナカ・オブライエンの調教師転向とともに転厩しています。兄ジョセフ・オブライエンも名騎手ながら大柄で体重管理に苦しみ、早々と調教師に専念し、開業1年目からG1制覇を実現、愛ダービーやメルボルンCなどの世界的ビッグレースを勝つなど、今や父オブライエン師のライバルとして存在感を増しています。このファミリーの競馬センスは凄すぎます。ファンシーがデビュー戦で手綱を執ったドナカに、クラシックの栄冠をプレゼントしてくれるでしょうか?

ディープインパクトはこれまでヨーロッパでは、仏1000ギニーのビューティーパーラーにはじまり、英2000ギニーのサクソンウォリアー、仏ダービーのスタディオブマンと3頭のクラシック馬を輩出しています。ファンシーが勝てば、3カ国4頭目の栄冠になります。多いとは言えないヨーロッパ在厩馬で、これだけの実績を残すディープインパクトの種牡馬としてのポテンシャルは、既にワールドクラスに達していますね。この偉大な血を、代を重ねても末長く伝えていくことが、日本のホースマンの使命かもしれません。

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