きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

歌人“京雅”さんからの和歌(沓冠) 皐月賞&中山グランドジャンプ

先週は、中山競馬場で2つのGI、クラシック第1弾・皐月賞と障害春の王者決定戦・中山グランドジャンプが行われました。覆面歌人の京雅さんからは豪華2本立てで、和歌が届きました。是非、隠れたメッセージを読み解いてください。(メッセージの答えは最後に)

皐月賞 京雅

無敗来た
走り競った
いざ皐月
馬群抜きさあ
伸びて満開

隠れたメッセージは「むはいばの たたきあい → 無敗馬の 叩き合い」です。
無()敗来た(
走()り競った(
い()ざ皐月(
馬()群抜きさあ(
伸()びて満開(


<京雅さんの和歌【沓冠】の解説>
前日から降り続いた雨も、皐月賞当日には上がり「晴」の天候で行われた皐月賞。今年は、3強対決に注目が集まりましたが、直線で抜け出したのは、2歳GIを制した無敗のコントレイル、サリオスの2頭。直線で両者、馬群から跳び出し2頭での叩き合い。先に抜け出したサリオスを鋭い差し脚で追いつき、勢いそのままに叩き合いを制したのはコントレイル。「想定と違ったレースとなった」と鞍上の福永騎手が語ったように、決して理想の展開ではなかったものの、溜めて切れる脚を披露できたことで「もっと距離があっても大丈夫。ダービーが楽しみになった」と大きな収穫のあった皐月賞優勝でした。敗れたサリオスもさすがの実力。2頭の戦いは日本ダービーでも続くでしょう。

中山グランドジャンプ 京雅

ああ強い
名馬飛越だ
伸びて来い
何と凄いな
快挙だ勝利

隠れたメッセージは「あめのなか いだいなり → 雨の中 偉大なり」です。
あ()あ強い(
名()馬飛越だ(
伸()びて来い(
何()と凄いな(
快()挙だ勝利(


<京雅さんの和歌【沓冠】の解説>
4月18日(土)午前中から降り続いた雨は本番を迎えた中山グランドジャンプの発走時間でも止まず、雨の中の障害決定戦が発走となりました。
優勝したのは、この勝利で前人未到の大記録を達成したオジュウチョウサン。なんと、中山グランドジャンプ5連勝。最後の3コーナー入り口あたりから堂々先頭に立ち、快挙達成に万全の位置取り。最終障害も無事に飛越しゴール板を通過。偉大な記録の誕生した瞬間でした。有馬記念など平地での戦いを経て、障害競走を大いに盛り上げているオジュウチョウサン。この馬の生きる伝説はまだまだ続きそうです。


今週末から春の東京開催が始まります。無観客競馬の継続か否かについては、JRAの発表をお待ちください。今週末も競馬を楽しみましょう!


※ 【沓冠】の解説
和歌の折句の一種。意味のある10文字の語句を、各句の初め(冠)と終わり(沓)に1字ずつ詠み込んだもの。「沓」とは、体の一番下に着けるもので、「冠」とは、一番上に着けるものであることから、「沓冠」といわれる。 平安貴族の「言葉遊び」で、短歌の中に、本文とは違う言葉を忍び込ませて、和歌の表面とは違ったメッセージを密かに伝えているところが、面白いところ。

※歌人“京雅”さん
長く競馬サークルに住みついている覆面歌人。本年から、当協会ホームページで連載開始。渾身の一首をお届けするので皆さんも、是非、謎解きに挑戦してください。

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