きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

歌人“京雅”さんからの和歌(沓冠) 大阪杯

先週は、春の古馬三冠第一戦目、大阪杯が阪神競馬場で行われました。覆面歌人の京雅さんからは、この大阪杯の和歌が届きました。是非、隠れたメッセージを読み解いてください。(メッセージの答えは最後に)

大阪杯 京雅

走れほら
女傑は凄い
競馬なら
疾き脚で勝つ
無事王道を行く

隠れたメッセージは「はじけとぶ らいらつく → はじけ飛ぶ ライラック」です。
走()れほら(
女()傑は凄い(
競()馬なら(
疾()き脚で勝つ(
無()事王道を行く(


<京雅さんの和歌【沓冠】の解説>
GIに昇格して4年目を迎えた大阪杯、春の中距離王を狙う精鋭12頭が集まりました。結果は、12頭中2頭が牝馬でしたが、この2頭のワンツーフィニッシュ。内をついたラッキーライラックが、外を回ったクロノジェネシスをクビ差しのぎ切り、GⅠ三勝目を飾りました。一度は、内で進路に窮したかと思ったところから疾き脚を使い勝ち切り、女傑対決を制しました。昨年のエリザベス女王杯(2200m)、今回の牡牝混合の大阪杯(2000m)を快勝し、今後は、中距離路線の王道を歩むことになりそうで、今後の活躍にも期待です。

実は今回、京雅さんより追伸で和歌が添えられておりましたのでご紹介します。

「M.デムーロ騎手へ」

位置取りが
溜めよく我慢
力走馬
圧倒差し勝つ
読み良き乗り手

添えられていた和歌を読み解くと、隠れたメッセージは「いたりあよ がんばつて → イタリアよ 頑張って」

ラッキーライラックで大阪杯を制したM.デムーロ騎手の母国イタリアも日本と同様に新型コロナウィルスの多大な影響を受けている国のひとつ。「日本もイタリアも大変な時ですがお互いに頑張りましょう」という京雅さんからM.デムーロ騎手に向けたメッセージです。


※ 【沓冠】の解説
和歌の折句の一種。意味のある10文字の語句を、各句の初め(冠)と終わり(沓)に1字ずつ詠み込んだもの。「沓」とは、体の一番下に着けるもので、「冠」とは、一番上に着けるものであることから、「沓冠」といわれる。 平安貴族の「言葉遊び」で、短歌の中に、本文とは違う言葉を忍び込ませて、和歌の表面とは違ったメッセージを密かに伝えているところが、面白いところ。

※歌人“京雅”さん
長く競馬サークルに住みついている覆面歌人。本年から、当協会ホームページで連載開始。渾身の一首をお届けするので皆さんも、是非、謎解きに挑戦してください。

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