きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

歌人“京雅”さんからの和歌(沓冠) フェアリーステークス

1月16日は、田村 太雅 騎手、田島 俊明 調教師の誕生日です。誕生日おめでとうございます!
競馬をやっていると一年は早いもので、昨年のクラシックが終わったかと思うと、もう次の春を目指す戦いが始まっております。先週は京都競馬場でシンザン記念が、中山競馬場でフェアリーステークスが行われました。覆面歌人の京雅さんからは、中山競馬場で行われた3歳牝馬の戦いフェアリーステークスの和歌が届きました。是非、隠れたメッセージを読み解いてください。(メッセージの答えは最後に)

フェアリーステークス 京雅

凄いのさ
まあ逃げて行く
一騎ほら
ルート桜へ
出番芦毛と

隠れたメッセージは「すまいるで さくらへと → スマイルで 桜へと」です。
凄()いのさ(
ま()あ逃げて行く(
一()騎ほら(
ル()ート桜へ(
出()番芦毛と(


<京雅さんの和歌【沓冠】の解説>
年が明けて2歳から3歳へと大人の階段をひとつ登った3歳牝馬が集ったフェアリーステークス。中山のマイルを駆け抜けて、春の桜花賞へ向けて十分な収得賞金を獲得するのはどの馬か注目が注がれました。
レースは、3番人気のスマイルカナがスタートからダッシュよく先頭に立ちます。前半の800mは47.0秒と淡々としたペースで逃げます。最終コーナー、後続が迫ってくるものの一騎で気持ちよく自分のペースで逃げているスマイルカナの手応えも抜群。1馬身差を保ったまま直線に向かい、柴田大知騎手の檄に応えて、更にグイッと急坂で加速。最後は2馬身半をつけて、スタートからゴールまで先頭で駆け抜けました。馬名の通り、笑顔(スマイル)で桜へと向かえるでしょう。

レース後、柴田大知騎手は「テンションが高くなりがちなのが今後の課題」と語っておりましたが、この勝利で桜花賞へのルートは確保しました。馬を知り尽くした厩舎と騎手がどのように課題を克服するか、その過程も楽しみです。
ピンク色の桜咲く桜花賞の舞台で、芦毛のスマイルカナが逃げる姿は、今から想像しても映えそうです。桜花賞に向け、まずは一頭名乗りを上げた週末の中山競馬場でした。
今週の中山競馬場は日曜日に皐月賞へと繋がる3歳重賞・京成杯が行われます。こちらもご注目ください!


※ 【沓冠】の解説
和歌の折句の一種。意味のある10文字の語句を、各句の初め(冠)と終わり(沓)に1字ずつ詠み込んだもの。「沓」とは、体の一番下に着けるもので、「冠」とは、一番上に着けるものであることから、「沓冠」といわれる。 平安貴族の「言葉遊び」で、短歌の中に、本文とは違う言葉を忍び込ませて、和歌の表面とは違ったメッセージを密かに伝えているところが、面白いところ。

※歌人“京雅”さん
長く競馬サークルに住みついている覆面歌人。本年から、当協会ホームページで連載開始。渾身の一首をお届けするので皆さんも、是非、謎解きに挑戦してください。

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