きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

歌人“京雅”さんからの和歌(沓冠) チャンピオンズカップ

12月5日は、井上 敏樹 騎手、田中 博康 調教師の誕生日です。誕生日おめでとうございます!
先週は砂の王者決定戦・チャンピオンズカップが行われ、冬の中京競馬場は興奮の渦に包まれました。覆面歌人の京雅さんからは、そのチャンピオンズカップの和歌が届きました。是非、隠れたメッセージを読み解いてください。(メッセージの答えは最後に)

チャンピオンズカップ 京雅

王者差せ
馬 六連勝だ
逃げを追い
耐え競い行こ
強い脚使え

隠れたメッセージは「おうにたつ せだいこえ → 王に立つ 世代超え」です。
王()者差せ(
馬() 六連勝だ(
逃()げを追い(
耐()え競い行こ(
強()い脚使え(


<京雅さんの和歌【沓冠】の解説>
冬のダートGⅠフェブラリーステークス優勝のインティ、GⅠ競走5勝いまだ衰え知らずのゴールドドリーム、この秋にJpnⅠを初制覇した絶好調チュウワウィザードなど錚々たるメンバーが集まったダート王決定戦・チャンピオンズカップを制したのは、無敗の3歳馬クリソベリルでした。
レース、はスタートから冬の王者インティがマイペースで逃げる展開に。クリソベリルは3番手で機をうかがいます。さらにそのクリソベリルをみる位置に、ゴールドドリーム、チュウワウィザードが続き、早くも上位人気馬たちの攻防が開始。
直線、逃げたインティの勢いはなかなか衰えずラスト200mのハロン棒通過時には追うゴールドドリーム、クリソベリルを1馬身突き放します。
しかしラスト150mで、まずはゴールドドリームがインティに迫ります。インティとゴールドドリームが競り合う中、わずかに開いた2頭の間に無敗の6勝目を目指すクリソベリルが飛び込みます。逃げた冬の王者インティ、実績で勝るゴールドドリームに割って入る3歳クリソベリル。百戦錬磨の2頭との追い比べに耐え、ラスト50m、グイっと強い脚で2頭の間から首を覗かせてクビ差先頭に踊り出たところがゴール板。見事、無敗の6連勝で世代の壁を乗り越えて王者に君臨しました。

レース後に、手綱を取った川田騎手は「同世代では抜けた力があることはわかっていた。一線級と走るのが初めての中、どうかなという思いがありました」と語っており、やはり歴戦の古馬たちとの力関係が鍵だったようです。
3歳で頂点に立ったクリソベリル。今後は海外も含めて、活躍が期待されます。


※ 【沓冠】の解説
和歌の折句の一種。意味のある10文字の語句を、各句の初め(冠)と終わり(沓)に1字ずつ詠み込んだもの。「沓」とは、体の一番下に着けるもので、「冠」とは、一番上に着けるものであることから、「沓冠」といわれる。 平安貴族の「言葉遊び」で、短歌の中に、本文とは違う言葉を忍び込ませて、和歌の表面とは違ったメッセージを密かに伝えているところが、面白いところ。

※歌人“京雅”さん
長く競馬サークルに住みついている覆面歌人。本年から、当協会ホームページで連載開始。渾身の一首をお届けするので皆さんも、是非、謎解きに挑戦してください。

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