きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

歌人“京雅”さんからの和歌(沓冠) 京王杯2歳ステークス

先週は東西で重賞競走が4つ行われました。どのレースもGI競走に繋がる重要なレースという位置づけです。覆面歌人の京雅さんからは、当協会会員の田中成奉様が優勝した京王杯2歳ステークスの和歌が届きました。是非、隠れたメッセージを読み解いてください。(メッセージの答えは最後に)

京王杯2歳ステークス 京雅

これはまあ
伸びレコードさ
強さ無比
技量で走破
早よGI来い

隠れたメッセージは「このつぎは あさひはい → この次は 朝日杯」です。
こ()れはまあ(
伸()びレコードさ(
強()さ無比(
技()量で走破(
早()よGI来い(


<京雅さんの和歌【沓冠】の解説>
朝日杯フューチュリティステークス(旧朝日杯3歳ステークス)の前哨戦として55回の伝統を誇る京王杯2歳ステークス。このレースを優勝して名馬へとステップアップしていった馬はグラスワンダー、エイシンアポロン、グランプリボス、タワーオブロンドンなど数知れず。そんな出世レースを制したのはタイセイビジョンでした。
レースは前走の函館2歳ステークスで敗北を喫したビアンフェの逃げを見るような形で、中団で脚を溜めます。4コーナーでは馬群に綴じ込められますが、鞍上のルメール騎手の技量発揮。コーナーの軌道を利用し、徐々に外側に移動させ、直線に向かうころにはしっかりと進路を確保しました。ここからは、溜めた末脚を解き放つのみ。1頭のみ上がり33秒台の末脚で、他馬が並ぶこともできずに突き抜ける強さ。2歳レコードタイムでゴール板を駆け抜けました。


ルメール騎手はレース後に「(前走が1200mだったので)ちょっと引っ掛かった。馬場はそんなに硬くないからレコードはビックリ。リラックスしたら1600mは絶対大丈夫」と語っており、“次走のGIが早く来てほしい”という感じすら伺えました。
次走・朝日杯となるとお手馬の多いルメール騎手を確保できるかも、鍵になりそうですが、今回見せた無比の強さを是非、GIでも発揮して欲しいですね。


※ 【沓冠】の解説
和歌の折句の一種。意味のある10文字の語句を、各句の初め(冠)と終わり(沓)に1字ずつ詠み込んだもの。「沓」とは、体の一番下に着けるもので、「冠」とは、一番上に着けるものであることから、「沓冠」といわれる。 平安貴族の「言葉遊び」で、短歌の中に、本文とは違う言葉を忍び込ませて、和歌の表面とは違ったメッセージを密かに伝えているところが、面白いところ。

※歌人“京雅”さん
長く競馬サークルに住みついている覆面歌人。本年から、当協会ホームページで連載開始。渾身の一首をお届けするので皆さんも、是非、謎解きに挑戦してください。

×