きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

歌人“京雅”さんからの和歌(沓冠) 菊花賞

先週は牡馬のクラシック三冠最終戦・菊花賞が行われました。全頭が未経験の距離3000mに挑むこのレースは「強い馬が勝つ」と言われるほどタフな戦い。今年は武豊騎手鞍上のワールドプレミアが制しました。覆面歌人の京雅さんからは、その菊花賞の和歌が届きました。是非、隠れたメッセージを読み解いてください。(メッセージの答えは最後に)

菊花賞 京雅

歴史的
幾度輝く
技と顔
出番京都と
燃えて菊咲こ

隠れたメッセージは「れいわでも きくおとこ → 令和でも 菊男」です。
歴()史的(
幾()度輝く(
技()と顔(
出()番京都と(
燃()えて菊咲こ(


<京雅さんの和歌【沓冠】の解説>
新たな令和の時代となり、初の菊花賞となった今年。記念すべき菊花賞を制したのは過去に四回、菊花賞を優勝している武豊騎手に導かれたワールドプレミアでした。過去3戦2勝と得意の京都コースで、道中はインコースでロスなくしっかりと脚を溜めます。直線入り口では、下り坂の影響で内が開きやすい京都外回りを熟知している武豊騎手が完璧なエスコートで進路を確保。最後は外から迫るサトノルークスの追撃を振り切りました。
武豊騎手は昭和にスーパークリークで、平成で、ダンスインザダーク、エアシャカール、ディープインパクトで、そして令和でワールドプレミアで菊花賞優勝。三元号に亘っての優勝はもちろん初めての歴史的偉業達成。春はソエの影響もあり、皐月賞・日本ダービーが使えなかったため、その分、ここ京都は出番!と燃えるものがあったでしょう。「京都・菊花賞といえば武豊」という存在感を技でも顔でも遺憾なく発揮してくれました。


管理する友道調教師は「ひと言で(いえば)騎手がうまいです」と語り、武豊騎手の熟練の技を称賛しました。武豊騎手は自身の持つ菊花賞・最年少優勝記録に加えて、この勝利で最年長優勝記録も樹立。ワールドプレミア、オーナーの初GI制覇、に加えて、武豊騎手の三元号優勝、同レースの最年長優勝記録更新と記録尽くしの菊花賞となりました。


※ 【沓冠】の解説
和歌の折句の一種。意味のある10文字の語句を、各句の初め(冠)と終わり(沓)に1字ずつ詠み込んだもの。「沓」とは、体の一番下に着けるもので、「冠」とは、一番上に着けるものであることから、「沓冠」といわれる。 平安貴族の「言葉遊び」で、短歌の中に、本文とは違う言葉を忍び込ませて、和歌の表面とは違ったメッセージを密かに伝えているところが、面白いところ。

※歌人“京雅”さん
長く競馬サークルに住みついている覆面歌人。本年から、当協会ホームページで連載開始。渾身の一首をお届けするので皆さんも、是非、謎解きに挑戦してください。

×