きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

南半球でのチャレンジ

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日本での馬券発売はありませんが、今週はオーストラリアのコーフィールド競馬場2000mで行われるG1コーフィールドS(ラドブロークスS)に日本馬スズカデヴィアスが出走します。ヨーロッパ遠征中のディアドラで世界に名を売った橋田満厩舎の管理馬です。デヴィアスは俗に言う“オープン大将”的な存在で、相手もG1馬がズラリと揃いレーティング順位も最下位ですから、一見地味に映る挑戦ですが、こうした一つ一つの積み重ねがディアドラの英G1ナッソーSの快勝という金字塔に繋がっているんでしょうね。

このレースに注目するのは今月下旬にムーニーバレー競馬場2040mで開催されるG1コックスプレートの前哨戦として最重要のポジションを占めているからです。33連勝と破天荒な記録を樹立した南十字星の女王ウィンクスが4連覇の偉業を成し遂げたことで有名ですが、1着賞金300万AUSドル≒2億2000万円と同条件の日本の天皇賞秋の1億5000万円を上回る高額賞金、オーストラリアを代表する中距離最大のビッグイベントです。今年は日本から宝塚記念で一皮むけた姿を見せたリスグラシューが参戦予定で、ブックメーカー前売オッズで堂々の1番人気に支持されています。コックスプレートは日本でも馬券発売されるでしょうから、リスグラシューの相手探しという意味合いでも、コーフィールドSは見逃せない一番になりそうです。

地元の大将格はゴドルフィンのアヴィリオスでしょうか?母父サンデーサイレンスの変わり種でジャパンCにも登録があります。休み明けを叩かれつつ調子を上げており、リスグラシューに続く2番人気に推されている大目標コックスプレートへ順調なステップを刻むんでしょうね。ダンステリアは叩き上げの格下馬を世界行脚の武者修行させてビッグレースに挑戦させる仕事人ダヴィッド・ムニュイジェ師の傑作馬です。昨年サンダリングブルーという馬でスウェーデン、カナダを巡りジャパンCにチャレンジさせています。ダンステリアは英G1エクリプスSでエネイブルの4着に健闘した後、前走はドイツ遠征のダルマイヤー大賞でG1制覇を成し遂げています。昨年の勝ち馬ベンバトルに似通ったローテーションが不気味です。穴なら、各馬59キロを背負う中で56.5キロと恵まれた唯一の3歳馬ケープオブグッドホープでしょうか?世界の名門エイダン・オブライエン厩舎では二軍的な存在でしたが、新天地での転厩緒戦で覚醒するかも。

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