きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

歌人“京雅”さんからの和歌(沓冠) 毎日王冠&凱旋門賞

秋の東京・京都・新潟競馬がスタートし、東京と京都では伝統の重賞、毎日王冠と京都大賞典が行われました。覆面歌人の京雅さんからは、中山馬主協会会員、(株)ダノックス様が優勝した毎日王冠の和歌に加えて、日本馬が3頭挑戦した凱旋門賞の和歌が届きました。是非、隠れたメッセージを読み解いてください。(メッセージの答えは最後に)

毎日王冠 京雅

あ!出遅れす
しばし前壁
力得て
ガツンと反応さ
馬一気差す

隠れたメッセージは「あしちがう すべてさす → 脚違う すべて差す」です。
あ()!出遅れす(
し()ばし前壁(
力()得て(
ガ()ツンと反応さ(
馬()一気差す(


<京雅さんの和歌【沓冠】の解説>
東京競馬場の秋の開幕を飾る伝統の重賞・毎日王冠は3歳馬のダノンキングリーが、見事、古馬との初対戦を制し、優勝しました。
スタートでは後手を踏み、前が壁になり、スタンドもどよめきに包まれましたが、鞍上の戸崎騎手は焦ることなく、馬の脚を信じて折り合いに専念し最後方で機を伺います。力を十分に溜めた状態で、直線入り口で抜群の反応をみせたダノンキングリーは、外に進路を確保。出走馬中、唯一の上がり3ハロン33秒台の脚で一気に全頭を抜き去りました。
古馬相手にこの強い競馬、次走のGIも楽しみがいっぱいです。

凱旋門賞 京雅

まずは追え
さすが強いね
勝ち近い(誓い)
まさかと叫ぶ
決戦に散る

隠れたメッセージは「まさかまけ えねいぶる → まさか負け エネイブル」です。
ま()ずは追え(
さ()すが強いね(
勝()ち近い(誓い)(
ま()さかと叫ぶ(
決()戦に散る(


<京雅さんの和歌【沓冠】の解説>
世界最高峰の芝のレース・凱旋門賞。日本馬3頭の出走と現役最強と名高い牝馬エネイブルの凱旋門賞3連覇なるか、に注目が集まりました。
レースは女王強し!という内容でエネイブルが直線で堂々と先頭に立ち、勝利は目前でしたが、大外から地元フランスのヴァルトガイストが強襲。女王エネイブルが差される姿に世界中の誰もが「まさか!」と叫んだことでしょう。
勝利したヴァルトガイストを管理するA.ファーブル調教師は凱旋門賞8度目の勝利。こちらも「あっぱれ!」と叫びたいほどの偉業達成でしたね。


ヴァルトガイスト鞍上のP.ブドー騎手はこれが初の凱旋門賞制覇。26歳という若さで悲願のタイトル獲得となりました。またヴァルトガイスト自身の去就は協議中とのことですが、この勝利を手に引退・種牡馬入りする可能性も高いとのこと。次なる夢は産駒による凱旋門賞制覇でしょうか、夢はまだまだ終わりません。


※ 【沓冠】の解説
和歌の折句の一種。意味のある10文字の語句を、各句の初め(冠)と終わり(沓)に1字ずつ詠み込んだもの。「沓」とは、体の一番下に着けるもので、「冠」とは、一番上に着けるものであることから、「沓冠」といわれる。 平安貴族の「言葉遊び」で、短歌の中に、本文とは違う言葉を忍び込ませて、和歌の表面とは違ったメッセージを密かに伝えているところが、面白いところ。

※歌人“京雅”さん
長く競馬サークルに住みついている覆面歌人。本年から、当協会ホームページで連載開始。渾身の一首をお届けするので皆さんも、是非、謎解きに挑戦してください。

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