きょうの蹄音競馬にまつわるちょっといい話

2019.8.30

凱旋門賞への扉

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毎年10月第1日曜日に開催されるのが慣例となっている凱旋門賞ですが、今年もその大一番と同コース同距離で施行されるトライアル3レースの登録馬が発表されました。主催者のフランスギャロによれば「よだれの垂れそうな好メンバー」という触れ込みですが、あながち広告宣伝目的のアオリ文句とばかりと思えないほど豪華な顔ぶれになりそうです。3歳馬限定のG2ニエル賞は、何と3カ国ダービー馬が一堂に介します。イギリスからアンソニーヴァンダイク、フランスからソットサス、ドイツからもラッカリオが登録を済まし、日本のロジャーバローズが無事に海を渡っていれば、空前の4カ国ダービー馬の競演が見られるところでした。バローズの引退が今さらながら悔やまれてなりません。

注目は地元の期待の星ソットサスでしょうか。仏ダービーでは後方馬群で気配を消すように息を殺していましたが、直線に向いてクリスチャン・デムーロ騎手のゴーサインに素早く反応して息の長い末脚を繰り出し、あっという間に前を行く馬たちを差し切りました。凱旋門賞3連覇を狙う大本命エネイブルのジョン・ゴスデン調教師も警戒を隠しません。半姉シスターチャーリーはアメリカに移籍して芝G1を5連勝中とファミリーの勢いが止まりません。父シヨーニがマイラー血統で2400mが課題になりそうですが、地元の秘密兵器がベールを脱ぐ瞬間がやってきたようです。日本調教馬キセキも参戦する古馬のG2フォア賞は、ヴァルトガイストの安定感に一日の長がありそうです。とにかく「真面目」というか、「誠実」というか、常に自分の能力だけはキッチリ出し切る馬です。エネイブルやクリスタルオーシャン級の超一流馬には歯が立ちませんが、それ以外の相手だったら必ず勝ち負けの競馬に持ち込んでくれます。ここは信頼して良いでしょうね。

牝馬のG1ヴェルメイユ賞は、イギリスのアナプルナ、アイルランドのスターキャッチャーと両国オークス馬が登場します。凱旋門賞は軽量の3歳牝馬に分があると言われますが、その意味でも注目してみたい両馬です。エイダン・オブライエン厩舎の超堅実派マジカルも登録しています。この馬も前述のヴァルトガイストと同じガリレオの血統ですが、大種牡馬ガリレオの最大の長所は自分に授けられた能力を常に出し切ろうとする「一途さ」にあるのかもしれません。出てくればマジカルには3歳両馬より高い評価が必要なような気もします。