きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

歌人“京雅”さんからの和歌(沓冠) オールカマー

9月26日は、菱田 裕二 騎手、古川 吉洋 騎手の誕生日です。誕生日おめでとうございます!
今週は東西で伝統ある重賞、第65回産経賞オールカマー(中山競馬場)、第67回神戸新聞杯(阪神競馬場)が行われました。覆面歌人の京雅さんからは中山で行われたオールカマーの和歌が届きました。是非、隠れたメッセージを読み解いてください。(メッセージの答えは最後に)

オールカマー 京雅

トップ逃げ
まずは万全
楽に行き
なんと秋楯に
いざ勝ち名乗り挙げ

隠れたメッセージは「とまらない げんきにげ → 止まらない 元気逃げ」です。
ト()ップ逃げ(
ま()ずは万全(
楽()に行き(
な()んと秋楯に(
い()ざ勝ち名乗り挙げ(


<京雅さんの和歌【沓冠】の解説>
中山・秋の伝統GIIのオールカマー。昨年は2017年のダービー馬、レイデオロが優勝し、その勢いのまま秋の天皇賞を制しました。今年もレイデオロが出走した他、春に香港・クイーンエリザベスII世カップで悲願の初GI制覇となったウインブライトも出走してきました。
そのような中、入場無料で多くのお客様で溢れた中山競馬場を沸かせたのは、4番人気、丸山元気騎手鞍上のスティッフェリオでした。過去の重賞では好位からの競馬で結果を残してきましたが、オールカマーはトップで逃げて折り合いも万全。少頭数も手伝って、単騎で楽に逃げを打てました。後半に入っても勢いは全く衰えず、他馬が4コーナー入口から手綱をしごく中、持ったままコーナーを回り、後続を寄せ付けず、逃げ切り勝ちで重賞3勝目を飾りました。この勝利で、天皇賞(秋)の優先出走権も獲得。勝ち名乗りを挙げ、いざ、天皇賞(秋)に出陣です。


スティッフェリオの逃げに沸いた中山競馬場でしたが、実は、逃げは今回も含めて過去5回あり(3.2.0.0)という好成績。レース後は「作戦がうまくいきました」と丸山騎手も納得の騎乗だったようで、本番でも逃げるのか、それとも好位に控えるのか、この馬が展開の鍵を握りそうですね。


※ 【沓冠】の解説
和歌の折句の一種。意味のある10文字の語句を、各句の初め(冠)と終わり(沓)に1字ずつ詠み込んだもの。「沓」とは、体の一番下に着けるもので、「冠」とは、一番上に着けるものであることから、「沓冠」といわれる。 平安貴族の「言葉遊び」で、短歌の中に、本文とは違う言葉を忍び込ませて、和歌の表面とは違ったメッセージを密かに伝えているところが、面白いところ。

※歌人“京雅”さん
長く競馬サークルに住みついている覆面歌人。本年から、当協会ホームページで連載開始。渾身の一首をお届けするので皆さんも、是非、謎解きに挑戦してください。

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