きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

歌人“京雅”さんからの和歌(沓冠) レパードステークス

先週は新潟でレパードステークス(GIII)、小倉で小倉記念(GIII)が行われました。京雅さんからは、レパードステークスの和歌が届きましたので、是非、隠れたメッセージを読み解いてください。(メッセージの答えは最後に)

レパードステークス 京雅

早く来い
苦労を凌ぎ
馬場を見よ
勝った重賞
毛色は白だ

隠れたメッセージは「はくばかけ いぎようだ → 白馬駆け 偉業だ」です。
早()く来い(
苦()労を凌ぎ(
馬()場を見よ(
勝()った重賞(
毛()色は白だ(



<京雅さんの和歌【沓冠】の解説>
すっかり夏の新潟開催の定番となったレパードステークス。過去にはトランセンド、ホッコータルマエなど、ダート戦線を沸かせた名馬も優勝しています。
今年のレパードステークスはジャパンダートダービー2着、ドバイ遠征も経験したデルマルーヴルに人気が集まりましたが、制したのは白毛馬ハヤヤッコ。
白毛とあってファンも多いこの馬。先行有利の新潟ダートで、後方に位置するハヤヤッコの姿にファンは「早く来い!」とやきもきした思いで、道中を見守ったでしょう。白毛馬はこれまでダートの地方交流重賞ではユキチャンが優勝していますが、中央の重賞ではなかなか手が届かなかった苦労がありました。そんなファンと先代たちの思いを乗せ、馬場の外側からハヤヤッコは華麗な末脚で差し切り勝ち。重賞という大舞台に白毛が一層映えた瞬間でした。
7月30日、ハヤヤッコと同じ勝負服でターフを駆け抜けたディープインパクトがこの世を去りました。ファンと先代の思いに加え、オーナーの思いも背負ったハヤヤッコの走りに感動いたしました。


シラユキヒメ、マシュマロ、ハヤヤッコと続いてきた白毛の系譜。ハヤヤッコは牡馬ですので、少し気は早いですが、種馬としての白毛馬の活躍も期待されるでしょう。今後は、GⅠ戦線にも登場するでしょうから、より多くの競馬ファンを魅了して、競馬が盛り上がると嬉しいですね。


※ 【沓冠】の解説
和歌の折句の一種。意味のある10文字の語句を、各句の初め(冠)と終わり(沓)に1字ずつ詠み込んだもの。「沓」とは、体の一番下に着けるもので、「冠」とは、一番上に着けるものであることから、「沓冠」といわれる。 平安貴族の「言葉遊び」で、短歌の中に、本文とは違う言葉を忍び込ませて、和歌の表面とは違ったメッセージを密かに伝えているところが、面白いところ。

※歌人“京雅”さん
長く競馬サークルに住みついている覆面歌人。本年から、当協会ホームページで連載開始。渾身の一首をお届けするので皆さんも、是非、謎解きに挑戦してください。

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