きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

凱旋門賞への道険し!

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凱旋門賞戦線が風雲急を告げています。前人未到の3連覇を目指す大本命馬エネイブルこそ、今季緒戦となった先日のG1エクリプスSを快勝して、「すべての道はパリに通ず」と言わんばかりの順調なスタートを切りました。凱旋門賞オッズも2倍ちょっと1頭だけ抜けた存在になっています。この1強状態は、エネイブルの本物の強さはもちろんですが、ライバルたちの中には脱落する馬も現れはじめている昨今の動向と無縁ではないでしょう。

昨年の凱旋門賞で直線鋭く追い込んで、エネイブルに短首差まで迫ったシーオブクラスが、疝痛から回復せず、ウィリアム・ハッガス調教師が引退を決断しました。無事に繁殖に上がってくれることを祈るばかりです。このバッドニュースに続いて、昨年のダービー馬マサーが、日本時間昨夜に行われたニューマーケットのG2プリンセスオブウェールズSで、まさかのドンジリに惨敗してしまいました。ダービー以来の長期休養明けを一叩きして必勝の構えで臨んだ一番だけに、ゴドルフィンを代表する名伯楽チャーリー・アップルビー師もショックが隠せません。

長い遥かな凱旋門賞ロードですが、2週間後に行われる夏のアスコットの風物詩として人気があるキングジョージ6世&クイーンエリザベスSで折り返し点を迎えます。日本からはシュヴァルグランが出走しますが、ジャパンC制覇時の相棒ヒュー・ボウマン騎手が休養中で、今回はオイシン・マーフィー騎手を鞍上に迎えます。昨暮から年初にかけて1ヶ月余りの短期免許で25勝をあげた大活躍が忘れられない天才ジョッキーです。日本でも馬券発売されますが、現時点でのブックメーカーオッズは、エネイブルが1倍台で突き抜け、それをクリスタルオーシャンが追う展開です。エイダン・オブライエン厩舎は、英ダービー馬アンソニーヴァンダイクと愛ダービー馬ソヴリンの豪華揃い踏み、シュヴァルグランはソヴリンと並んで21倍見当に評価されています。頑張ってほしいものです。ともあれ、これから秋へ向けて一戦一戦が目の離せない激闘が続きます。

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