きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

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今週は京都でエリザベス女王杯、東京で武蔵野Sが行われます。武蔵野Sは交流G1のJBCデーに近接していることもあり、どうもレースの意義とか位置付けが曖昧になっています。

しかし過去15回の歴史の中で、少なくとも一度だけ燦然たる輝きを放ったことがあります。2001年にクロフネが圧勝した武蔵野Sです。3歳秋のクロフネは神戸新聞杯でエアエミネムの3着に敗れると、さっさと路線転換してダートに向かいます。

そして初ダートの武蔵野Sで叩き出した時計が1分33秒3。芝でもなかなか出ない怪時計です。つけた着差は9馬身、ちょっと考えられない大差です。2着のイーグルカフェも弱い馬ではありません。翌年にはデットーリ騎手でジャパンCダートを勝つのですから。
クロフネの次走、ラストランはジャパンCダートでした。そこでも彼はウイングアローに7馬身差の完勝を飾ります。2分5秒9はもちろん今も残るレコードタイムでした。クロフネがダートに出走したのはこの二度だけでしたが、史上最強のダートホースと言って良いと思います。時計も群を抜いていましたが、そういうことより、その走りには衝撃を超えて感動すら覚えました。そういう馬をたまには見てみたいものです。

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