きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

アメリカで芝三冠レースが創設

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今年で創設100年目を迎える(1939年、1940年は第二次世界大戦で中止)凱旋門賞で、まだどの馬も成し遂げたことのない3連覇を目指すエネイブルが、いよいよ今季を始動させます。土曜日のサンダウン競馬場10FのG1エクリプスSが、そのレースです。目下9連勝中で、前に行けて終いも切れる馬ですから、死角らしい死角も見当たりません。重箱の隅をつつけば、彼女がこれまで唯一負けたレースが今回と同じ10ハロン戦だということくらい。しかし、それもデビュー2戦目のことですから、レースを重ねて経験を積んだ今なら不安よりは、むしろ期待の方が高まります。強敵は今季絶好調のマジカルでしょうか?昨秋のBCターフでエネイブルと叩き合って、4分の3馬身差までに食い下がっています。充実しきった近況からも、劇的なジャイアントキリング(大物喰い)があるかも?

アメリカの今週末は、芝レース振興を目的に今年から創設された牡馬の「ターフトリニティ」、牝馬の「ターフティアラ」のそれぞれ第1戦としてベルモントダービー、ベルモントオークスが行われます。この両レースにはアイルランドのエイダン・オブライエン厩舎を中心とするヨーロッパ勢、日本勢も参戦して国際色あふれる華やかな一日になりそうです。日本馬ジョディーが出走するベルモントオークスは、BCジュベナイルフィリーズターフを圧勝して2歳ターフ女王に輝いたニュースペーパーオブレコードが人気の中心でしょうか?今季は2着続きですが、勝負師チャド・ブラウン師のことですから、ここ一番はキッチリ仕上げてくるはずです。その彼女に前哨戦で勝っているコンクリートローズとキャンビアパルクが続き、オブライエン厩舎のジャストワンダフルも差なく続きます。日本馬ジョディーは同距離のG2フローラSで3着に逃げ粘っていますが、父ダイワメジャーからも距離の壁がありそうです。

ダートのクラシックで大健闘したマスターフェンサーが今度は芝に挑むベルモントダービーは、オークスにも本命馬を送り込んだチャド・ブラウン師が4頭出しの猛攻勢をかけます。いずれも有力視されていますが、ともに3戦3勝と底を見せていないデジタルエイジとデマルシェリエが一歩リードでしょうか。ヨーロッパ色の濃い血統構成で、ブラウン師の芝レースにかける本気度が伝わります。強敵は、やはりオブライエン勢ですね。名馬ハイランドリールの全弟のケープオブグッドホープは仏ダービー4着の実績もあります。ブレニムパレスも全兄にチャーチルを持つ期待の良血馬で目が離せません。日本馬マスターフェンサーは、芝は下級クラスの実績しかないのですが、アメリカに渡ってからの成長度、充実度は目覚ましく、そのあたりに期待したい気持ちが強いです。

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