きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

春季クラシック最終戦

7月19日は、小笠倫弘 調教師の誕生日です。誕生日おめでとうございます!
ようこそいらっしゃいませ。

今週末はアイリッシュオークス(愛オークス)が話題の中心です。春季のクラシックレースという括りで見れば、お隣イギリスのエプソムオークスの7週間後と北半球では、たぶん一番遅い開催です。この時期のサラブレッドの7週間は、相当に長い時間です。急激に見違えるような成長を遂げる仔もいれば、心身ともに充実して本物になってくる仔もいます。昨年の覇者シーオブクラスは前者の典型で、4月にようやくデビューしたばかりなのに、一戦ごとに成長を重ね、重賞初挑戦だった愛オークスでは、英オークス馬フォーエヴァートゥゲザーを電光石火の末脚で差し切りました。その後の活躍はご存じの通り、凱旋門賞で女王エネイブルに肉薄してファンを驚かせました。

そのエネイブルが後者の代表でしょうか?英オークスを5馬身差で圧勝すると、愛オークスもさらに差を広げて5馬身半、牡馬相手のキングジョージも4馬身半の楽勝で、「前に行けるスピードがあり、末脚も切れる史上最強の牝馬ステイヤー」と主戦のフランキー・デットーリ騎手に舌を巻かせています。今季も緒戦のG1エクリプスSを貫禄勝ち、次走で日本馬シュヴァルグランなどを向こうに回してキングジョージ2勝目を果たし、凱旋門賞3連覇に王手をかけてくれるでしょう。

さて今年の愛オークスは、イリデッサというジョセフ・オブライエン厩舎のルーラーオブザワールド産駒が人気を集めているようです。2歳時にG1フィリーズマイルを勝っている実績馬です。クラシックでは一息足りなかったのですが、ここへ来て身が入ってきたのか、古馬相手のプリティポリーSを快勝しての挑戦です。ライバルはジョセフの父親である巨匠エイダン・オブライエン師が送り込むピンクドッグウッドですね。英オークスはデットーリ騎手のアンナプルナに絶妙の立ち回りをされて、クビ届かない2着でしたが、秘めるポテンシャルの高さは証明しました。逆転も十分に望めそうです。この父子対決に割って入りそうなのが、先ほどから何度も登場しているデットーリ騎乗のスターキャッチャーです。大一番に強いシーザスターズの血と鞍上が強みでしょうか。最近の急上昇ぶりは同じ父を持つシーオブクラスを思わせます。英オークス3着のフリーティングは末の切れ味は天下一品ですが、差し遅れも多い馬で連対候補まででしょうか?

×